●ICT活用高いと成績も高い〔セミナー報告〕 (2006年11月09日)
「Innovative Teachers Day 2006」(主催 ICT教育推進プログラム協議会▽特別協賛 マイクロソフト株式会社)が10月21日、情報教育関係者ら約200名を集め、東京ファッションタウンビル(東京都江東区)で開催された。
清水康敬氏(ICT教育推進プログラム協議会会長、独立行政法人メディア教育開発センター理事長)は基調講演「ICTが拓く明日の教育」のなかで、英国での調査結果を紹介。
「教師がICTを教科指導に活用する学校、児童生徒がICTを活用して学習する学校、校長の管理能力が高くICT整備が進んだ学校で児童生徒の成績が高くなっている」とICT活用の程度に比例して児童生徒の成績も高くなると説明した。
また文部科学省の委託を受けて独立行政法人メディア教育開発センター(NIME)が昨年度実施した「教育の情報化の推進に資する研究」の調査結果を用い、小・中・高校の実証授業344授業の分析結果を報告。
ICTを活用した授業と、活用しなかった授業の比較から
「実証授業を行った小・中・高の90%以上の先生がICT活用は目の前の生徒の学力向上に効果があると答えた。小学校においては100%だった。先生方が実感としてICTの力を信じてもらうことは重要」
とICT活用授業の効果を改めて説いた。
◇ ◇
「ICT教育推進プログラムと我が国の教育の情報化」では小泉力一教授(尚美学園大学芸術情報学部)が、ICT教育推進プログラム協議会の活動について説明した。
同協議会は現在6都県で導入され1万2700名を超える教員が利用した「ICTスキルアッププログラム」、5教育委員会69校にリサイクルPC約2100台を寄贈する「リサイクルPC寄贈プログラム」を実施するなど、情報教育を支えている。
小泉氏は東京都でのICTスキルアップ研修利用を例に
「教育現場を熟知したアドバイザーの協力や、テキスト制作のプロが作ったICT利用のプロのスキル・ノウハウが盛り込まれた教科書、プロのインストラクターによる実践的な指導が、授業で活用できる研修として評価が高い」
と同プログラムの意義を語った。
◇ ◇
セッション2-A「校内ICTリーダーは今、何をすべきか」では、ワークショップやリレー式の教員同士の授業見学を組み込んだ研修や、ファイルサーバを活用した教材・授業方法の共有、学校教育や学校運営を理解し、かつネットワークやコンピュータの専門知識を持った「学校CIO」の導入も必要といった意見が交換された。
◇ ◇
陰山英男(立命館小学校副校長)
「教育改革とICT活用の可能性」で陰山英男氏(立命館小学校副校長)は、陰山メソッド(徹底反復学習)を紹介し、ICT活用教育の可能性に言及。
「タブレットPCの登場でコンピュータの基本的なテクノロジーが学習の水準まで到達したと思う。辻堂小学校と立命館小学校で漢字学習にタブレットPCを使っている。1時間の授業でノートだと7・8個しか教えられないが、手書きのデジタル教材では倍の早さで進められるため、効率的な学習が実現する」
と述べ、「学習履歴が記録」「徹底的な反復」が可能なデジタル学習コンテンツの利点を語った。
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投稿者 kksblog : 2006年11月09日 19:47
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