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子どもたちの観察をする (2006年05月31日)

子どもたちにコメントを返せる状態であるために観察をする。しかし、30~40人の児童・生徒を相手に観察をするというのも難しいもの。今回は基本的な技法を考えてみよう。

何のために観察をするのか

・先生がちゃんと見ていることを児童・生徒に示すため
・児童・生徒が、気づいていなかったことを、コメントを促して気づかせるため
・何につまづいているのかを把握して、今後の授業計画に生かすため

どうやって観察するのか

観察しやすくする基本的な技法は、3つほどある。


観察をする部分を限定する

原則:ねらいにそって観察をする。

個々の授業にはねらいがある。そのねらいに沿って、観察を進めていくことが原則。ねらいが達成されているかどうかというのが観察のポイントとなる。では、ねらいが達成されているかどうかは、児童・生徒の何を観察していくのか。

  1. 発言の頻度・内容
  2. しぐさ
  3. 表情

くらいが前から見ている場合は分かりやすい。グループワークをしているのであれば、

  1. とっている行動
  2. グループ内での係わり合い
  3. 課題解決に向けての活動の良し悪し

あたりも加わってくることになる。


観察をする相手を限定する

観察をする相手を限定する。これには2種類ある

  1. 一人一人を見る
    気にかかる子がいたら、さりげなく注目する。注目のポイントは、「観察をする部分を限定する」を参照。
  2. 教室全体を見る
    人間の周辺知覚はなかなかの察知能力がある。全体を見ていると、どのあたりで「しぐさ」「表情」が落ち込んでいるか、大体わかる。わかったら、その1へと移行し、原因をさぐる。

この全体観察モードでのポイントは2つ。

1つめ。一人を見ない。ここはあくまでも「ん?」という引っ掛かりを観察するモードなので、視線を固定しない。でも、あわただしく移動はしない。このさじ加減がちょっと難しい。

2つめ。教室の4隅をみること。ここに重点的に視線を置いていき、時々中にも視線を置く。比率にして3:1くらい。ここに視線を置いていくと、大体の児童・生徒は「先生が自分のことを見ている」ように見える。これは、教室だけではなく、数百人クラスの講演でも使えるスキルなので、覚えておくと色々な場面で役に立つ。

グループワークをしているのであれば、

  1. グループを見る

というのも加わってくる。これは、1のグループ版。詳細は省く。

メモをする

人間が、起こった出来事を心に止めておくためのワーキングメモリは、とても小さい。

マジカルナンバーセブンという言葉がある。アメリカの心理学者ミラーが論文「マジカルナンバー7±2」で主張したもので、一般的な人間が一時的に記憶できる数は7つプラスマイナス2の前後だと言うもの。 ランダムに並べられた数字は、7桁前後まで記憶できるが、それ以上になると覚えられないとしている。

このワーキングメモリ、持続時間も非常に短い。一説には、2秒程度しか覚えていられないとも言われている。

したがって、起こった出来事・気になった反応は逐一メモをしておいて、後で突っ込みを入れるときの糧にすることが肝心。授業後までメモをしておこうとしても、忘れる。

メモ書きを促進するには、「観察をする部分を限定する」と併せ、その回のねらいに応じた観察シートなどを自作すると良い。(榊原)



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投稿者 kksblog : 2006年05月31日 17:25


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