●学校組織のマネジメント基礎2~学校経営 校長・教頭等支援サイトから (2006年04月05日)
この内容は、
学校組織のマネジメント基礎~学校経営 校長・教頭等支援サイトから (2006年03月08日)
の続きとなります。
■校長・教頭は具体的には何をするべきなのか?
学校組織マネジメントの考え方の指針として、同資料に挙げられているのが、
○「的確な環境状況の解釈とビジョンづくり」
○「ビジョン実現に向けたマネジメントのしくみづくりと活動の計画化」
○「年度の活動計画を、うまく回す運用の努力」
である。この3つを考え、実践していくことが、校長・教頭が行なう学校組織マネジメントだと、同資料では主張する。
では、それぞれを細かく見て行こう。
○「的確な環境状況の解釈とビジョンづくり」
まず、周りの状況がどういう状況なのか、学校の関係者で見解をよくすり合わせる。その上で、
①わが校のミッション(使命・存在意義)
②重点事項
③教職員の行動規範
④組織構造
⑤運営のしくみ
⑥管理職の行動宣言
⑦教職員の人材育成
を盛り込んだビジョンをつくる。これを教員で浸透させることにより「日常の判断基準が一定に保たれ動きやすくなる」「一体感が醸成される」などの効果が期待できる。
○「ビジョン実現に向けたマネジメントのしくみづくりと活動の計画化」
学校組織は、フラット(なべぶた)型で、マトリクス(格子状)構造の組織だ。この組織は一般的に
■長所
①迅速な意思決定
②柔軟な組織運営
③顧客の多様なニーズへの対応
④創造的な問題解決
⑤中堅クラスの能力伸長
など
■短所
①短期課題志向に陥りがち
②頻繁な会合による多忙さ
③業務のミスが多い
④管理職の管理能力により差が出る
⑤若手クラスの育成の停滞
など
が発生すると言われている。基本的には先ほど立てたビジョンに向けて、長所を活かし、短所をカバー・軽減していくしくみが必要となる。
しかし、学校では「校長」「強調」「教務主事」といった役割が明確に決められており、会議などでそれぞれの職階に従った意見などにかたまることも多い。このような状況である場合、長所が十分に生かされない。対応策が別途必要になるだろう。
○「年度の活動計画を、うまく回す運用の努力」
そういった対応策を作成・実施して行く部分に対し、この資料では、PDCAサイクルの導入を勧めている。
PDCAサイクルとは、
『年度の計画(Plan)は実施され(Do)、年度末に評価(Check)を受ける。そして、評価を踏まえて、次年度の課題を検討する(Action)』
PDCAサイクルで大切なのは、この資料にも述べられているように「Plan」の立て方。Planは、
①いつまでに(期限)
②何を(テーマ)
③どのレベルまで(達成基準)
この3つを含めてPlanを設定する必要がある。
例えば、
A「心豊かな子どもの育成です」
とはせず、
B「心豊かな子どもの育成のために、今年は、A と B に取り組みます。A の目標は、年度末に、□□になっていることが達成基準(めざす状態)です」
とする。
『目標を具体的に設定することで、達成度合いを評価することが容易になり、反省点や課題も発見しやすい』
これをもう少し違う角度から述べる。
Aは、目的。
Bが、目標。
目標には、目的を達成したことを測るための指標が入れられていなくてはならない。この時点まで練りこまれて、初めてPlanが出来上がったといえるし、PDCAサイクルが回せるようになる。なぜなら、達成度合いが測れなければ、Check段階を正確に行なうことはできないからだ。
このように数値化すると、PDCAサイクルを回し始められるだけではなく、動機付けの効果も発生する。ビジョンを策定する段階で、学校の関係メンバーの意見を十分に聞いて、合意を得つつビジョン策定を進めて行くとよいだろう。
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投稿者 kksblog : 2006年04月05日 02:40
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