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美術をわいわいがやがや楽しむアートゲーム (2006年03月01日)

美術をわいわいがやがや楽しむ アートゲーム

今回は、アートゲームという、一種の美術鑑賞教育手法を紹介しているサイトを紹介する。アートゲームとは、ゲーム的な要素を取り入れて、美術鑑賞を遊びながら行うというもの。小中学校の図画工作・美術の授業で使うのにもぴったりです。

まずは、サイトの紹介

「子どもと アートと 社会をつなぐ滋賀県立近代美術館ボランティアのホームページ」
http://www.biwa.ne.jp/~artvolun/index.html

このサイトは、滋賀県立近代美術館の学芸員である平田健生氏を管理人として、同美術館のボランティアさんたちが作成したもの。今回紹介しようと考えている「アートゲーム」のアクティビティ紹介などからコンテンツが構成されている。

滋賀県立近代美術館では1996年以来、様々な形でアート・ゲームの実践を行っており、その実施ノウハウをまとめているものなのだという。

最近内容更新がされていないのが、ちょっと残念。


アートゲームとはなにか

【アートゲームの目的】
アートゲームは、ゲーム的な要素を取り入れて美術鑑賞を遊びながら行うことで、

○美術鑑賞に親しみをもつ

ゲームを通じて大量の美術作品を見ることになるため、自然に美術作品を見ることに慣れ親しむ

○鑑賞のためのテクニックを磨く

ゲームを通じて、鑑賞そのもののテクニックや、美術鑑賞の自由さ(ひとによって見方がことなる)などのありかたを学ぶ

ことを目的としているという。アメリカ合衆国等では既に多くの研究がなされ、教材化されているものもあるとのこと。


【アートゲームの利点】
サイトの記述を借りながら、アートゲームの利点を説明する。

(1)アートゲームは、どこでも行なえる

「アート・ゲームの長所は、実作品の有無に関らず、「いつでも」「どこでも」「誰でも」鑑賞教育の活動を行える、という点」

にある。それは、ゲームの実施に本当の美術作品を必要としないからだ。アートゲームの多くは、作品の画像などを使用した「作品カード等」を使用する。作品カードを用意するという手間はあるものの、それさえクリアできれば、別に美術館で行なう必要はない。


(2)アートゲームは、コミュニケーション促進作用も持つ

ゲーム的要素を含んでいるため

「「美術の学習」であるばかりでなく、参加者どうしのコミュニケーションをはかりながら参加者がそれぞれ自己表現を行い、それによって自分と異なる他者の価値観を自然なものとして受け入れてゆけるという、コミュニケーションのためのツール」

としても機能するという特長がある。

また、コミュニケーションをはかるというと、話したり書いたりといった言語的なものが強調されることが多いが、

「身振りや作品作りを通して様々な形での自己表現を行えるため、言語による自己表現を苦手としている人々のための、精神の開放手段としても大きな力を発揮します。自己表現を前面に押し出さず、知らず知らずのうちに自分が表現できている」

ことも可能。この利点は強調されて良いだろう。現在、学校で行なわれることも多い体験型学習の「グループワークトレーニング」や「ゲーミング」では、「ふりかえり」をシートへの記述や、そこからの口頭発表に頼ることが多い。そのこと自体は否定されるものではないが、それが絶対でもないということは、体験型学習を実践する人は頭に入れておいて損はない。


アクティビティ紹介

このサイトで紹介されているのは、全部で16個のアクティビティ(海外事例などを含めると、さらに多い)。

  • ジャンケンゲーム
  • ジェスチャーゲーム
  • 絵合わせ(マッチング)ゲーム
  • 形容詞ゲーム
  • キーワードゲーム
  • ぼくの絵を探して
  • 作者当てゲーム
  • 推理ゲーム
  • お話し作りゲーム
  • アートな一家ゲーム
  • マルバツゲーム
  • ○×ゲーム(インディアンポーカー・スタイル)
  • 優美な屍骸ゲーム(シュルレアリストたちの遊び)
  • ピカソ福笑い
  • あなたに捧げるこの作品 ゲーム
  • 抽象絵画を作ろう-家族の肖像ゲーム

それぞれのゲームの内容は、このサイトでご覧ください。

個人的なお勧めは、大人からこどもまで燃えそうな「キーワードゲーム」。他の教科でもすぐさま応用できそうな「マルバツゲーム」「○×ゲーム(インディアンポーカー・スタイル)」。創作という要素が入ってくる「抽象絵画を作ろう-家族の肖像ゲーム」。


下に、マルバツゲームの概要を転記しておく。こういうのがお好きであれば、サイトを熟読してみるのが良いのではないかと。

▲マルバツゲーム

○用意するもの

  • ○印と×印のプラカード各1枚
  • 様々な美術作品の図版8~12枚程度 (うち同じ図版が2枚必要)

○進行

  • 参加者の中から志願者を一人募り、プラカードを持って皆の前に座ってもらいます。
  • 他の参加者に見えないようにして、志願者に図版を渡し、よく見てもらいます。
  • 他の参加者に、8~12枚の作品図版を並べて番号をふったボードを見せます。この中の一枚が、志願者の見ている図版と同じものです。
  • 参加者には、志願者に対し「あなたの見ている絵には何々はありますか」といった、○×で答えられるような質問を何回か出してもらいます。
  • それに対し、志願者は喋らずに、○と×のプラカードのいずれかを出して答えてもらいます。
  • 参加者に、志願者が見ている図版が何番であるかを、推理して当ててもらいます。なお、参加者が志願者に質問できる回数には制限を設けて下さい(約3回が適当)。


○補足
志願者に見せるカードの種類と受け答えの内容とを変更すれば、すぐさま違う教科の学習にも使えそうな汎用性があるタイプのアクティビティ。


変更例:都道府県の特徴を覚えるゲーム。

  • 志願者には、先生が作った都道府県特徴の一覧を見せておく。
  • 参加者には「はい」か「いいえ」で答えられる質問を自由にしてもらう。「特産品は工業製品ですか?」「海に面していますか?」「関東ですか?」などなど。
  • 合ってる場合はうなづき。外れている場合は、首を横に振る。一覧に書いてなくて分からない場合は、首を傾ける。

終わったあと、特産品が簡単に手に入るような農産物だったら、みんなで食べてみるのも楽しいですね。例えば、千葉の落花生とか。ぼりぼりと(榊原)



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投稿者 kksblog : 2006年03月01日 17:44


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