●守るためのゼロ・トレランス/向上するためのゼロ・トレランス おまけ稿 (2005年12月21日)
守るためのゼロ・トレランス/向上するためのゼロ・トレランスに関連するお話。ゼロ・トレランスを日本で運用するときに気をつけるべき点に着目して論述しているサイトがあるので、別稿にしてご紹介。
先ほどの本稿でも登場した杉田氏は、
という文章をまとめている。この文章のメインは、アメリカの状況を述べている部分だが、最後に日本に導入する場合を仮定として述べている。氏の主張はこうだ。
[よく話してきかせれば、聞き分けてくれる]という子育てや教育の方法は、わが国の伝統であり長所である。
(中略)
この方針と方法に拠って学校(校長)が毅然たる姿勢を堅持すること
が大切だという。したがって、生徒へ運用をするゼロ・トレランスは日本には合わないと。では、日本式ゼロ・トレランスは、誰に向かうべきなのか?
例えば参観授業で親が騒がしい、運動会でわが子の写真を取るのに審判の先生が邪魔になるなど、本末転倒していることを正すことができないで、変に親に“サービス”するような雰囲気の学校や校長では問題にならない。
(中略)
「教師が....」、「教師が..」と特に大都会の一部“悪い”教員や無能な教員を誇張して報道し、結局、教育そのものを揶揄し嘲笑している放送番組も見られ残念である。このようなものに対して強く抗議できないような教員、学校、教委、教員組合であるとしたら、それこそゼロ・トレランス以前の問題であろう。
親やマスコミに向かうべきであろうと、氏は考えているのだ。
そして、生徒に対しては、
「よく話してきかせても」なお非違行為を繰り返す生徒に対しては、停学「出席停止」もやむを得ない。(中略)またその生徒に在学の願いがある限り退学にはしないこと。このような場合は校長(学校)が“生ぬるい”との批判を受けるものであるが、その場合でも毅然として方針を貫く覚悟が問われよう。
ゼロ・トレランス方針の修正というよりは、(少し甘めのような気もしますが)ごくごく普通の姿のような気がしなくもない。
また、ゼロ・トレランスに対して、こういう風に考える人もいる。
1970年~80年頃は、丸刈り強制などに象徴される“管理教育ブーム”だった。ところが、90年代に入ってから、“カウンセリングブーム”に代表されるように、“こころの教育ブーム”が起こった。前者が「ゼロトレランス」の視点に立っているのに対して、後者は“ガイダンス”の視点に立っている。結論から言えば、どちらが良いというのではなく、どちらも必要だということである。(中略)教師の指導スタイルは、TPOに応じて使い分けられる必要があり、「ガイダンスやカウンセリングマインドを柱とした生徒受容型」が基本で、規律の遵守や危機回避に対しては「毅然、厳正なるゼロトレランス型」が適応されるべき。
あまりにも普通の結論ではあるものの、実際の運用から考えた場合、この辺が落としどころだと思われます。(榊原)
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投稿者 kksblog : 2005年12月21日 17:53
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