本紙調査B-全国の市区教委に聞く

インターネットの接続率増加

ガイドライン設置は、27市区

 

<インターネット>
2003年までに全国の学校をインターネットに接続する計画が発表され、関心が一層高まっているが、インターネットに接続している学校は、小・中学校合わせ1280校、接続している割合は17・2%、平均接続台数は3・5台であることが分かった。文部省の平成9年3月時点調査では、小中学校の接続率は8・9%であったのに比べると、8・3ポイント上昇した。
教育委員会がホームページを開設していると認めている学校は444校、開設率は6・0%だった。
また、接続されているコンピュータが主にどこに置かれているかを、複数回答で聞いたところ、コンピュータ教室が最も多く46・8%、次いで職員室34・6%、図書室7・8%、特別教室6・8%、普通教室3・9%で、普通教室が最下位だった。

<インターネット接続計画の進展>
インターネットへの接続計画はどう進展しているのか。もっとも多いのは、「既にモデル校数校を接続し、教育利用について研究している」で41区市(20・1%)、次いで「特に研究校は置かず順次接続」29区市(14・2%)、「平成11年度以降にモデル校を接続し研究をはじめる」24区市(11・8%)など。「全校の接続を完了」も25区市(12・3%)、「今年度にモデル校を接続し研究開始」も19区市(9・3%)あり、順調に進んでいる。
一方、「区市の条例によりインターネット接続ができない」も8区市(3・9%)、「未定」も11区市(5・4%)ある。

<接続の方法>
計画あるいは既に実施している接続の方法はどうなっているのだろうか。100校プロジェクトなどはのぞき、市区独自の接続について聞いた。
もっとも多かったのは、
「各学校から直接プロバイダーにつなぐ」方法で96区市(62・3%)と6割を超えた。この方法はもっともつなぎやすいからだろう。
一方、有害情報の管理がし易く、市区独自のネットワークも構築できる方法である「市区の教育センターなどにインターネット接続用のサーバーを置き、そのサーバーを経由して、学校をインターネットに接続する」は36区市(23・4%)が既に実施または計画中と答えた。
また、「都道府県立の教育センターなどに置かれたインターネット接続用のサーバーを経由」する方法は、9市区(8・4%)と1割以下だった。

<回線の種類>
学校と教育センター(プロバイダー)を結ぶ回線の種類について聞いた。もっとも多いのは、ダイアルアップISDN回線(INSネット64)で、90市区(78・3%)が使用あるいは計画していると答えた。ダイアルアップアナログ回線は今年5月時点でも13区市(11・3%)と少ない。
一方、つなぎっぱなしの専用線を使用あるいは計画しているのは9区市(7・8%)だった。
CATV回線の利用も3区市で見られる。

<学校での接続の形態>
学校がインターネットに接続されたとしても、学校内での接続の環境も問題となる。1台だけの接続では授業での活用は難しく、複数台を接続できる環境が望ましい。
さて、調査では学校内でのインターネットへの接続は、「TAまたはモデムにより取りあえず1台を接続する」と答えた市区が80(65・6%)と6割以上にのぼった。回線が一本でも複数台が接続できるように、「学校にルータを設置し、複数台を接続」は39市区(32・0%)だった。

<ガイドラインの有無>
インターネットは有効である反面、有害な情報もあり、適切な利用が求められる。
回答のあった228の市区のうち、インターネットの教育利用についてガイドラインを設置している自治体は、27(11・8%)、近く設置の予定が43市区(36・0%)、設置していないが76市区(33・3%)、で他は不明(回答なし)だった。
また、設置している27市区のうち、6市区がガイドラインをホームページ上で発信している。

図表で見る各市区のインターネット接続状況へ