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学習素材 ―【長野県教育旅行】日帰りの農村体験 効果は十分に

 長野県は、豊かな自然を舞台にした多くの学習素材があり、四季を通じて林間学校や学習旅行、スキー教室などの校外学習で訪れる学校が多い。長野県学習旅行誘致推進協議会は、「本物体験」「人々とのふれあい」などをテーマに、心に残る体験を子どもたちに提供するため、事業を進めている。その一環で7月に横浜市で行われた「平成23年度長野県学習旅行誘致説明会」などから、長野県の学習素材を探った。

本物体験・人々とのふれあい 四季を通じて人気の地

 横浜市から長野県へは、特に多くの中学校が自然学習で訪れており、また、長野県の阿部守一知事は横浜副市長を務めた経験があったことから、同市で初めての説明会を開催。この日は、同協議会の5支部と農村体験「ほっとステイ」が、受入れについて紹介した。

白馬支部

  長野県北西部に位置し、横浜からは約4時間の距離。北アルプスの山々が背景に広がる山岳リゾート地で、100軒近い宿泊施設があり、昨年度は小中高約60校が宿泊した実績を持つ。

  体験プログラムも充実しており、企業の社員研修でも使われている「EXアドベンチャー」は、チームで課題を解決するもので、学校団体にもおすすめ。また、標高2000メートル付近までゴンドラで行くことができるため、登山やトレッキングも人気がある。

茅野支部

  稜線の綺麗な八ヶ岳山麓の蓼科高原、日本百名山の車山を中心とした車山高原などで体験学習ができる。名古屋、横浜、東京からはほぼ同距離で、横浜方面から入る場合は長野県の玄関口だ。

  森林体験では、クラフトや森のレストラン体験、農業大学校の協力を得た枝打ちの体験などがあり、伝統工芸やクラフト体験は100種以上。また、茅野は縄文王国でもあり、「尖石遺跡」から出土した国宝「縄文のビーナス」は必見。

真田支部

  横浜から高速を乗り継ぎ約4時間。平均標高が1300メートルの菅平高原が体験のフィールド。ほとんど人の入っていない森林を利用した体験学習や、冬季のスキーエリアとしても人気がある。

  豊富な体験プログラムは、屋外で約23種。室内は約16種あり雨天対策も万全だ。冬季のスキー以外のプログラムも約7つある。これらは約50名の指導者のもと行われ、体験前日に宿泊先で事前学習の対応でき、指導者とのふれあいが充実。

松本支部

  乗鞍、上高地を中心としたエリアで、標高3026メートルの乗鞍岳の途中2700メートルまでは、車で行くこともできる。中部山岳国立公園の中だが、環境省の指導のもと伐採を行っているため、「きこり体験」も可能だ。

  同支部では、水を通じて自然環境をゆっくり学ぶ「スローリバーツーリング」を計画しており、ラフティングのほか、善五郎の滝に向かって進むシャワークライミングでは、プールや海と違った雪解け水の冷たさを感じ、自然の厳しさを体験することができる。

山ノ内支部

  志賀高原・北志賀高原・湯田中渋温泉郷で構成される山ノ内町は、面積の約7割が上信越高原国立公園に含まれている。志賀高原の自然トレッキング18コースは、ガイド組合のメンバーが児童生徒を安全に案内してくれる。また、北志賀高原の目玉、166人乗りの世界最大級の「竜王ロープウェイ」もおすすめ。

  数百名規模で収容できる宿泊施設があるため、1校1館の態勢が整っており、学校団体が安心して宿泊することができるのも特徴だ。

ほっとステイ

  県下8地区(武石、長和、茅野、立科、青木、真田、王滝、筑北)で行われる、日帰りの農村生活体験。田舎の祖父母世代と、都会の孫世代の交流が大きな目的で、祖父母世代が得た日本の歴史、風俗、習慣、文化を子どもたちに伝え、「生きる」を学ぶ。

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【2011年9月19日号】

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