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日光江戸村 教育旅行視察ルポ
江戸の町にタイムスリップ
江戸ワンダーランド 日光江戸村

 日光江戸村の入り口の関所をくぐり木立の街道を進むと、まるでタイムスリップしたかのように、江戸の町並みが広がる。大人の足でも1時間以上かかる広大な敷地内には、江戸時代の文化や生活が集大成されている。そこではお芝居やアトラクションを楽しみながら、歴史を学ぶことができ、殿様や姫様、町人の格好に着替えて江戸の町を散策する「江戸人変身!大作戦」も人気を集めている。そんな修学旅行や体験学習にも最適な日光江戸村の見どころを紹介する。


昔の教えから
礼節が学べる

「社会学学問所」で寺子屋を体験
「社会学学問所」で寺子屋を体験
 今の日本で忘れられつつあるのが思いやりと感謝の心「礼節」。それを昔の教えと暮らしの中から思い出させてくれる学習施設となるのが「社会学学問所」。ここでは寺子屋体験をはじめ、服装から食事、遊び、読み書きの授業にいたるまで、江戸時代さながらの体験ができるようになっている。江戸時代に普及した寺子屋において手本とされたのが儒教の教えで、この教えに沿って善悪の分別や目上の人を尊ぶ気持ちを身につけていったが、その理念を小・中学生から高校生、大学生、社会人にまで対応した教程で、現代に甦らせる。

 また、このコースで食べることができるメニューも日本の昔ながらの食材を活かしたものが多い。従来からある「きこり鍋」に加え、新メニューとなる「しし鍋」と「かも鍋」も人気を呼びそうだ。他にも社会学学問所では、大人と子どもが一緒になってお手玉など懐かしの遊び道具を作ったり、竹とんぼや竹馬で遊びながら、失われてしまった「日本人の心」を取り戻すことができる。

江戸の町並み
見事に再現し
江戸の裁判劇を見学できる「北町奉行所」
江戸の裁判劇を見学できる
「北町奉行所」

 江戸時代の建物を再現することで、教科書に載っている史実を身近なものとしてとらえることができるというのも日光江戸村の魅力の一つ。関所から入って一番奥にあたる武家屋敷町では、テレビの時代劇でもお馴染みの「北町奉行所」で江戸時代の裁判劇を見学できるほか、赤穂浪士の討ち入りの舞台となった「吉良上野介邸」では、ジオラマと映像で江戸の重大事件が年代順に紹介されていて、武家社会で起こった事件の名場面を見ることができる。また、「小伝馬町牢屋敷」は江戸小伝馬町に実在した牢屋敷を見事に再現した。

 実際の撮影風景を見学したいのなら足を運んでほしいのが「活動写真の里」。ここは日本最大級の時代劇撮影用オープンセットで、これまで多くの映画やCMの舞台になっている。また、「髪結処」では、時代劇のカツラの手入れや結い直し作業などが見られるようになっている。

伝統食材を使ったきこり鍋
伝統食材を使ったきこり鍋
神輿の舞から
地域の融和を
地域の発展を願った勇壮な「神輿の舞」
地域の発展を願った
勇壮な「神輿の舞」

 日光江戸村といえば「日本伝統文化劇場」や「ニャンまげ劇場」などで上演されるお芝居や映画も見逃せない。劇場施設では江戸時代の暮らしや事件を題材にした本格時代劇や伝統芸が上演され、屋外でも捕り物や立ち回りが開始されるなど、これほど芝居や芸能を1日で堪能できる場所は他には無い。
 そんな演目の中でも注目したいのが「神輿の舞」。これは藤原町観光誘致キャンペーンを進めてきた日光江戸村が、地域の繁栄には大型祭りが必要ということで考え出したもので、船に見立てた神輿が、大海に乗り出し、荒波や大波を乗り越えて目的地まで到達する航程を、舞い仕立てで役者が演じる。
 この新しい演目の登場にあたり日光江戸村の社主である野口勇氏は「市町村合併が進む中、地域の融和を円滑に進めるには大型の祭りが必要ではないでしょうか。そんな地域の発展を願って作った神輿の舞は、ご要望があれば全国どこの町にもでかけます」と語った。

◇  ◇  ◇

 交通=車の場合は東北自動車道・宇都宮ICより日光宇都宮有料道路・今市IC(今市・鬼怒川方面出口)を出て、国道121号線を鬼怒川方面へ。今市ICから約15分。電車の場合は東武浅草から東武鬼怒川線で鬼怒川温泉駅下車、路線バスで約20分。もしくはJR日光線で今市駅下車、タクシーで約15分。日光からの無料送迎バスあり。

 営業時間=3月20日〜11月30日は午前9時〜午後5時、12月1日〜3月19日は午前9時30分〜午後4時。水曜日定休。

 入村料=大人4500円、小人2300円、未就学児は無料。シルバー料金(65歳以上)3150円。身障者料金は大人2700円、小人1380円。社会学体験手形(特別着替えコース)は小・中学生3000円、高校生以上4500円。

 問合せ=0288・77・1777 http://www.edowonderland.net

【2006年1月21日号】


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