(財)日本修学旅行協会は、子どもたちにとって楽しく意義深い修学旅行ができるよう、問題点の改善に向けて修学旅行の実態調査を隔年ごとに行っているが、平成15年度の「全国高等学校修学旅行の実態」が、冊子になってまとめられた。
調査は全国の国立・公立・私立の高等学校を無作為に抽出し、調査票を郵送。国立8校、公立600校、私立235校の合計843校からの回答が得られた。その結果、修学旅行の実施率は、平成13年度を3・2%上回る97・3%となった。
〈修学旅行のねらい〉 各学校の修学旅行が、どのようなねらいで行われているか、選択肢から複数回答(4項目以内)で回答してもらったところ、人間関係が508校で1位、集団生活訓練が494校で2位となっている(左図参照)。私立は、前回の調査では集団生活が1位だったが、今回は初めて思い出づくりが1位となった。平成11年度以降の推移を見ても、「集団生活訓練」「人間関係」「思い出」の3点を重視している学校が多く、体験学習についても、このような視点から実施されていると思われる。
〈修学旅行の費用〉 修学旅行にかかった費用の平均は、国立で9万1381円、公立で8万8315円、私立で12万3946円、全体で9万8673円となり、公立と私立で約3万5000円の開きが見られた。前回の平成11年度の調査と比べると全体で3800円高くなっているが、公立の上昇率が私立よりも、やや高い。
旅行費用平均額の内訳を見てみると、交通費が総費用の約50%にあたる4万9139円、宿泊費が33%で3万2562円、その他(入場料、入観料、弁当、写真、しおり代等)の費用が17・2%で1万6972円。
〈修学旅行の小遣い〉 修学旅行における生徒の小遣いの制限を設けている学校は全体の約40%で、調査を行うごとに減少している。制限を設けている学校の平均額は2万6228円で、最高額は10万円、最低額は5000円。公立と私立を比べて、平均額に大きな差は見られない。
〈体験学習の実施〉 修学旅行において体験学習を行ったのは(スキー体験は含まず)、全体の半数にあたる352校。これは、前回の調査結果よりも10・8%も増加している。その配当時間は公立が3・7時間から4・8時間に上昇し、私立が6・8時間から5・5時間に減少している。
【2005年1月29日号】