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教育ICT

授業にICTを活用 効果的にA・L実践 <福岡県立輝翔館中等教育学校・鹿田智弘教諭>

2018年3月5日
第46回教育委員会対象セミナー・福岡

2月2日、福岡市のパピヨン24ガスホールで第46回教育委員会対象セミナーが開催された。また2月15日、名古屋市の名古屋国際センターで第47回教育委員会対象セミナーが開催された。各講演の内容を紹介する。次回の第48回教育委員会対象セミナーは、3月24日に金沢市の金沢商工会議所で開催される。

協同学習の実現に傾聴と復唱不可欠

福岡県立輝翔館中等教育学校・鹿田智弘教諭

福岡県立輝翔館中等教育学校・鹿田智弘教諭

福岡県立輝翔館中等教育学校の鹿田智弘教諭は、同校でのICTを活用したアクティブ・ラーニング(A・L)の現状を報告した。

輝翔館中等教育学校(開校14年目の福岡県唯一の公立中高一貫校で1学年120名の3クラス)は平成26年度から28年度まで、ICTを活用した授業モデルと、ICTを活用するための教職員研修モデルの確立が目的の「福岡県ICT活用教育研究事業」の研究指定校になり、前期課程の中学校の全クラスに電子黒板、後期課程の高等学校全クラスにプロジェクターが設置された。またタブレットPC120台が配備された。

研究期間の3年間在籍した教員25名に取ったアンケートでは、「教材研究にICTを活用できる」の問いに、「できる」「ややできる」と答えた教員は全員となった。「授業中にICTを活用して指導する」には、「できる」と答えた教員、「生徒のICT活用を指導する」では「できる」「ややできる」が大幅に増えた。普段から教員がICTを活用している結果と考えている。

ICT機器を使った授業の効果は、板書の時間短縮が4割、写真や動画による興味・関心の向上が26%、図やグラフが効果的に使えることが26%だった。教科別の電子黒板やタブレットPCを使った授業の割合は、デジタル教科書が充実している英語が34%で最も高く、数学と理科が15%で続いた。

授業でICTを活用した割合は、28年度には約75%となり、27年度より15ポイント上昇した。特にデジタル教科書などの教材が充実している前期課程では、85・9%の授業で活用された。

討論やプレゼンの授業時間が増加

続いて鹿田氏はA・Lへの取組を語った。28年度から県の取組である福岡県立学校「新たな学びプロジェクト」の研究指定校となった。テーマは「ICTを利用して生徒の知識の活用力を高めるアクティブ・ラーニング」。ICTを活用することで、より効果的にA・Lを実践できると考えた。

本校では学び合い・高め合い・認め合い・励まし合う学習活動「協同学習」について研究している。実現に2つの重要点がある。まず傾聴で、発言者の話をしっかり聞くこと。発言者に「ちゃんと聞いてもらっている」という意識ができ、高揚感と自己効力感が生まれる。聞き手も発言者の理解を深められる。もう一つがミラーリングで、発言者の発言内容を復唱すること。発言者は自分の発言を確認できる上、きちんと伝わったか確認できる。聞き手が発言する際には、きちんと理解して発言していることが発言者や他の生徒に伝わる。

A・Lの活用については、教員のアンケート調査から、討論やプレゼンテーションの授業が昨年度より増えた。1回の授業で割く時間は15分以上が28年度より増えた。

生徒へのアンケート調査では、全学年でA・Lの授業の方が理解しやすい、ICTを使った授業は昨年度よりわかりやすいなどの答えが増えた。今後は授業の評価法の検証や、実践をさらに重ねていきたい。

【講師】福岡県立輝翔館中等教育学校・鹿田智弘教諭

 

【第46回教育委員会対象セミナー・福岡:2018年2月2日

教育家庭新聞 教育マルチメディア号 2018年3月5日号掲載

  1. 熊本県山江村・内山慶治村長
  2. 愛媛県西条市教育委員会学校教育課・渡部誉専門員兼指導係長兼教育CIO補佐官
  3. 佐賀県武雄市学校教育課新たな学校づくり推進室・諸岡利幸室長
  4. 鹿児島市立学習情報センター・木田博主幹
  5. 福岡県立輝翔館中等教育学校・鹿田智弘教諭


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