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文教市場・企業のスタンス
PCの学習環境は持ち運べる時代に
全PCでKNOPPIX Eduを起動
生徒一人ひとりの学びをサポート

森蔭政幸氏
ターボリナックス株式会社
執行役員兼事業推進本部長
森蔭政幸氏

  保守運用面やコスト面の有用性から、学校現場においてもLinuxを始めとしたオープンソース・ソフトウェア(OSS)ベースのIT環境の構築が進んでいる。企業や教育機関向けにLinuxベースのサーバーOSやクライアントOSなどを幅広く提供するターボリナックス株式会社では、昨年から「wizpy KNOPPIX Edu6」の発売を開始した。特定のPCに縛られずに学校、自宅、外出先のどのPCでも同じ学習環境でプログラム演習等を学べることから、大学、専門学校等で活用が期待される同製品について、同社執行役員兼事業推進本部長の森蔭政幸氏に話を聞いた。

◇      ◇

 wizpyは、Linuxベースのアプリケーション一式をOSごと小さなデバイス(50g)で持ち運んで利用できるようにしたマルチメディアプレイヤーで、音楽や動画、FMラジオ、録音などが利用できる。またPCに接続してwizpy内のLinuxOSを起動すれば、いつでもどこでもPCを選ばずにWebブラウザやメールクライアント、オフィススイートなど自分専用のアプリケーションを利用できるのが好評だ。

 「LinuxベースのクライアントOSの利用は着実に進んでいますが、販売されるPCにあらかじめインストールされていないことが更なる普及の妨げになっています。そこでインストールの手間をかけずにLinuxを使ってもらおうと、wizpyを開発しました」

 さらに昨年からは、実績のあるアプリケーションを目的別にwizpyと組み合わせた「wizpy Style」を提案しており、教育機関向けに提供する
「wizpy KNOPPIX Edu6」は、その第一弾製品にあたる。

 30超の教育アプリがいつでも利用可能に「wizpy KNOPPIX Edu6」は名前の通り、教育用LinuxOSとして多くの導入実績を持つKNOPPIX Eduをwizpyに取り入れたもので、KNOPPIX Edu6にある30種類以上の教育用アプリケーションと10種類以上の教材ドキュメントをwizpyと共に持ち運べるようにしたもの。プログラミングやデータベースなど高度な技術演習環境が標準で収録されていて、主なアプリケーションにはWebブラウザやメールクライアントなどのインターネット演習や、Basic、C言語、JAVA、Perl、Rubyなどを扱うプログラム演習のほか、オープンオフィス演習、グラフィック演習、計測制御演習、数学演習、電気回路演習、CAD演習がある。

 オフィススイートは、広く一般に利用されるMicrosoft Officeとの互換性があるため、外部とのデータのやり取りにも苦労しない。また接続先のPCでWinnyなどのファイル共有ソフトが利用されていても影響を受けることなく、情報漏えいの心配がないのも魅力だ。KNOPPIXそれ自体は、Webサイトから自由にインストールできるが、手間や時間が必要になるうえ、それまでのPC環境が替わることから利用に二の足を踏むユーザーも少なくなかった。その点、同製品はインストールが不要で、USBを介して接続するだけでwizpy内の教育用アプリケーションが利用でき、取り外せば何事もなかったかのように接続先のPC環境をすぐに使えるようになる。

 「これまで多くの教育機関では他の学生や生徒とPCを共用するしかなく、一人ひとりのPCの学習環境をつくることが難しかった。wizpyならいつでもそれぞれの学習環境で学ぶことができます。多くの学生・生徒に利用してもらいたいですね」

 標準価格9800円(税込)、アカデミックボリュームディスカウントも用意されている。


(聞き手 吉木孝光)

【2008年10月4日号】


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