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文教市場・企業のスタンス
「世代」「活用シーン」にあわせた「安全」を
W−SIMの挿抜だけで「携帯電話」使い分け

寿 隆史 氏
株式会社ウィルコム事業促進部
寿 隆史 氏

 株式会社ウィルコムでは10年前から、PHS「安心だフォン」を発売している。PHSはその電磁波強度の低さから全国3500以上の医療機関でも多く取り入れられており、成長期の子どもにも安心といわれている。

  「安心だフォン」は、インターネットに接続できず、発信先を三箇所に限定することができるサービスだ。インターネットにつながらなければ、多くの危険から遠ざかることができる。発売開始以来、安定した支持を受けている。

  その一方、「『安心だフォン』は、親が子どもに持たせる携帯電話。子どもが率先して持ち歩きたいという類のものではない」と寿氏は述べる。そこで、株式会社バンダイと提携、子どもがいつでも肌身離さず持ち歩きたいと思えるような携帯電話をコンセプトに『キッズケータイpapipo!』を発売。「常に携帯したい、という強い動機付けも低学年の子どもには必要な面がある」と、キャラクターやオリジナルゲームなど遊んだり学ぶこともできるというもので、インターネットは、バンダイが子どものために子ども専用の安全なサーバーを一から作り上げ、一般的なインターネットは一切繋がらない。

  しかし、高学年以上になると「キッズケータイpapipo!」から卒業したくなる子どもも多くなる。そこで携帯電話に買い替え、というのでは、費用的にも手続き的にもコストがかかる。しかしウィルコム社製のPHSであれば、W―SIM(アンテナ内蔵通信モジュール)を共有できるため、子どもの成長に適合した本体に買い替え、W―SIMを差し込むだけ新しい携帯電話に取り替えることができるのだ。新たな契約手続き不要で、ハード的に交換する感覚なので、時間的にも無駄がない。また、有害サイトをシャットアウトするフィルタリングを今秋に開始予定で、子どものインターネット利用も安心だ。

  災害時用などに便利な電池式携帯電話もサンヨーとの提携で試作品が完成した。発売は未定だが、災害のときなど携帯電話が充電できなくなったとき、常に使っている携帯電話のW―SIMを電池式携帯電話に差し込むだけで、これまでとおり使うことができる。もちろん新たな契約手続きなどは不要だ。

  さらにスマートフォンならば、コンピュータ用OSと高い互換性があり、PDFファイルやワード、エクセル、パワーポイントなども活用できる。スライド式キーボードもあり、手書入力もできる。これは例えば、先生がコンピュータがわりに教室に持ち込み、プロジェクタなどと接続して投影、提示用機器としての活用も可能だ。野外活動や修学旅行でも、写真や文章を即HPなどにアップできる。ウィルコム社製スマートフォンであれば、通常使っていたPHSのW―SIMを入れ替えるだけで使うことができる。

  「世代やシーンによって必要なサービスや機能が変わってくる。W―SIMを差し替えるだけでそのシーンごとに必要な携帯電話を活用できる。これはウィルコムならではの機能です」

(聞き手 吉木孝光)

【2007年9月8日号】

 


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