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文教市場 企業のスタンス
ノート型シンクライアントで安全な自宅作業を実現する
(株)アクシオ第3営業部
部長代理  杉村淳一氏

-世界シェアトップのシンクライアント提供-
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(株)アクシオ第3営業部
部長代理  杉村淳一氏
 通信回線を安く抑えられる利点から、一度は注目されたシンクライアントシステムが、情報漏えい対策として、ここにきて再び注目を集めだした。

 「シンクライアントシステムは管理者への負荷も少なく、情報漏えいを防ぐことができるため、パソコン教室や図書館、受付など不特定の人が利用する共有スペースで役立てられると思います」そう今後の学校活用に期待するのは、株式会社アクシオの杉村淳一氏。

 これまで同社は、大学のシステム運用のサポートや100を超える全国の大学のネットワーク環境などを構築。また官公庁でも宮崎県の電子県庁化のひとつにユーザ統合認証システムを提供してきた。平成16年からは世界のシンクライアント市場でトップシェアを占めるWISE社(英国本社)のシンクライアント製品の販売を開始した。

 平成22年をめどとした教員一人一台PCの施策が進むなか、学校を舞台とした情報漏えい事故は後を絶たない。情報担当者も頭を悩ます漏えい対策だが、現在企業・官公庁などで利用されているシンクライアントシステムもその有効な手段の一つになる。

 「シンクライアントシステム導入の利点は、漏えいすると困るデータやアプリケーション全般をクライアント機に実装させない点にあります」
 オペレーティングシステムや各種ソフトウェアを載せないクライアント機は、サーバ上でデータやアプリケーションを利用・保存する。クライアント機では作業データを保有しないため、紛失しても情報は一切漏えいしない。クライアント機にキーボードとディスプレイを接続、サーバー側でソフトを起動させてシステムを設定すれば良い。USBポートは利用できない仕組みでUSBメモリーによるデータの持ち出しも防ぐことが可能だ。

 「情報漏えい対策としても有効ですが、故障やトラブル対応に人手をかける必要がありません。管理面から考えると、クライアント機に不具合が起こった際には新しいクライアント機に替えるだけ。認証キーを別のクライアント機に登録することで、それまでのデータ等を呼び出してすぐに利用できます。クライアント機で利用していたデータを失ったり、管理者が一日がかりで復旧にあたることも必要がありません」

 頻発するデータの盗難や紛失等の事件・事故は校務データなどの重要なデータを自宅にも帰ることが大きな要因の一つだ。
 「基本的には持ち帰らないことが必要だが、自宅に持ち帰らざるを得ない教職員の方々にはノート型も使えます。シンクライアントのノートパソコンを自宅へ持ち込み、リモートアクセスで必要なデータを処理することも技術的に可能です。ノートパソコンが盗難にあっても、データは一切入っていないため心配要りません」

 漏えい対策から、自宅へのデータやノートパソコンの持ち出しを禁止するしかないのが現状だが、ノートパソコン型シンクライアントが、新しい校務ソリューションとして活躍する日も遠くないだろう。

(聞き手 吉木孝光)

【2006年8月5日号】


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