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文教市場 企業のスタンス
子どもの視線を黒板に
泉株式会社
樹脂事業部長 宮川行生氏、同部スクリーングループ 岩井登喜雄氏

-スクリーンと黒板の境界なくす-
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宮川行生氏(右)
若井登喜雄氏(左)
 コンピュータの学校への整備が進むなか、プレゼンテーションソフトを使った生徒の発表など、教室でも動画や画像を使った授業が増えてきた。

 泉株式会社は、90年代からそれまで国内にはなかった軽くて持ち運びにも便利なモバイルスクリーンの開発・製造・販売を始め、現在では黒板に貼り付けることができるWOLマグネットスクリーンや、プロジェクタなどをオールインワンで収納できて簡単に移動することが可能なプロジェクタカート等、新しい教育環境を提案し続けている。

 「プロジェクタを使う先生方の使い勝手や、子どもたちに書き込ませる双方向授業の実現のため、学校で使うスクリーンは『書けて』『消せて』『映せる』ものである必要があった」そう述べるのは全国の教育現場へ足を運ぶ、若井登喜雄氏(同社樹脂事業部スクリーングループ教育分野担当リーダー)。そこで同社では、Write on the Light(WOL)を開発。同製品では市販のホワイトボード用のマーカーなら自由にスクリーンへ書いて消すことができるなど、プロジェクタを使った授業が普段と同様のスタイルで行えるようになる。

 「先生方の『子どもたちを黒板に集中させたい』という声を受け、スクリーンをマグネットで黒板に貼り付けて使えるように工夫した。黒板から外さずに頻繁に使う先生にはスクリーンの長さが調節できて、黒板に貼り付けた状態のまま簡単に収納もできる固定式WOLも開発した」(若井氏)。

 書けて消せるという使い勝手と、綺麗に映像を映す技術は相反するもの。それを可能にしたのは、同社オリジナルの特殊技術だ。スクリーンを構成するフィルムの表面処理技術や収納部の設計技術は他社にはなかなか真似できないものだという。

 「モバイルスクリーンの原点を作ったのは私たち。あくまで道具は道具でしかないが、効果的な授業デザインのツールとして役立てれば嬉しい」そう同社の製品力に胸を張るのは宮川行生氏(樹脂事業部部長)。

 「先生には教育をリードする役割があるが、主体はあくまで児童・生徒たちだと思う。先生が準備して一方的に教えるのではなく、子どもたちも一緒に授業デザインに参加できるようになって欲しい。授業前後の準備や片付けを簡単にすることで、余分な時間も短縮でき教育効果を高めることにつながる」と同氏は述べ、教育現場に製品を提供する者として『安全』『簡単』『参加型』『感動』の4つが大切と語る。

 今後については、「教育は日本を支えるもの。新しい教育環境をつくるお手伝いをしていきたいという夢がある。教科にこだわらずにスクリーンやプロジェクタを使ってもらうために、教育現場の多様な声を取り入れながら、今後も映像周辺機器を中心により良い製品を提供して、子どもたちが感動するシーンを作り上げていきたい」(宮川氏)と結んだ。
(聞き手 吉木孝光)

【2005年12月3日号】


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