(左から)林 敏明氏、菊地 孝氏 |
10年前から書画カメラ内蔵型プロジェクタで多くの企業から支持されてきた、日本アビオニクス株式会社。02年に打ち出した、マルチメディア・プロジェクタシリーズ(以下、MPシリーズ)で低価格帯(約50万円)の製品も揃い、着実に学校現場の支持を広げている。
「先行する他社のプロジェクタの多くはパソコンで作成したコンテンツやビデオで撮影した映像を投影する、2役(にやく)の製品が中心。弊社のものは内蔵の書画カメラを用いて実物を映し出すことの出来る、3役(パソコン・ビデオ・実物投映)の機能を備えており、競合することなく、ニッチな部分で支持を得ている」
そう、同社製品の特徴を語るのは電子装置営業本部MP営業部長、林敏明氏。
プロジェクタを活用した授業は、わかりやすく、子どもたちの興味・関心をひきつけられる。しかし、1、2分という短い使用時間のために、教員が準備に多くの時間を割くことは現実的ではない、という。
「時間のない学校現場では、ケーブルがなくシンプルで、簡単に次の準備や説明に移れるものが支持される。手軽さ、使い勝手の良さが重要になる」と、林氏は述べる。
同社プロモーショングループ主任、菊地孝氏は、「学校の先生はアイディアマン。時間も予算もない中で色々考え、工夫する。これまで、プロジェクタはパソコンに詳しい一部の先生しか利用できず、パソコンを使えない先生は『いいな』と思うか『私には使えない』と諦めるしかなかった。同製品は、カメラの上に教科書や成果物を載せれば簡単に授業で利用できる」と語る。
昨年10月にはMPシリーズの後継機、インテリジェント・プロジェクタシリーズ(以下、iPシリーズ)を発売。プロジェクタ内にアプリケーション「iP−viewer」を新たに実装した。
「MPシリーズのときは単なる投影機だったが、『もっとスキャナ的に使用したい』という現場の声があり、iPシリーズでは、いわゆる書き込みソフトやパソコンに取り込む機能を付加して、使い易さを追求した」(菊地氏)。
ソフトの利用にインストールは必要なく、USBで接続すると自動的にiP−viewerが立ち上がる。投影しながらリアルタイムに画像へ書き込んだり、データをパソコンに保存することも可能。
「プロジェクタは各社から出ているが、画像の鮮明さには自信がある。今後も地道に教育委員会の方や現場の先生方にPRしていきたい」(菊地氏)。
パソコンが使えないと利用できないプロジェクタでは稼働率はなかなか上がらない。パソコン操作が不得手な先生や生徒の利用も実現する同社のプロジェクタは58万8千円(税込)から。
【2005年8月6日号】