美若利充先生 |
単元は「生き物のくらしとかんきょう」。本時の目標は、「空気中に酸素を出しているものはなにか実験を通して確かめる」こと。導入時では、地球誕生時の様子を解説した動画データベースのクリップ「地球の誕生」を児童らに見せ、問題意識を持たせるよう試みた。Eブラウザに切り替え、ペン機能を使えば、「書き込み」も可能だ。動画の視聴後は「46億年前の大気は二酸化炭素がほとんどで酸素はほとんどなかった」こと、現在の空気組成は「窒素が80%」であることなど児童らの発言を書き込みつつ、既習事項の確認を行った。
次に「板書」で本時の課題を確認、「気体検知管」を用い、まわりの空気と人が吐いた空気の成分含有量を比較する実験方法の説明をする。プロジェクタ画面で教科書デジタル化教材「デジタル掛図」の実験イメージを投影したり、「気体検知管」の解説図を提示したり、再度既習事項を確認してからそれぞれグループごとに実験を開始した。実験中は「気体検知管」の扱い方法を画面にずっと投影、実験が進むにつれ混乱しがちな児童でも、スムーズに実験を進めることができた。
本時のまとめでは「動画クリップ」を視聴し、学習内容を確認する。動画を一時停止するなどして説明を加えたり、意見を求めたりする活動を行った。
デジタル掛図で予想 |
本時後の評価(ノート記述による)によると、「実験方法」が理解できなかった児童、「植物は酸素を放出し、二酸化炭素を吸収している」ことが理解できなかった児童はゼロ。さらに発展して、「もっと環境を調べたい」「守りたい」といった自然との関わりを見直す感想や、「植物の大切さが分かった」など自分らの暮らしに結びつけることができた児童が約半数もいることが分かった。
授業者の美若先生は「教科書デジタル化教材・デジタル掛図・や動画データベースの活用は、学習効果を高めるためにも、ピンポイントで活用しています。児童らの集中力を高めたり、持続させたりすることができる点が良いですね。『デジタル掛図』は教科書に沿っているため既習事項を提示できるし、手軽に見せることができるので、手軽に復習できる点もメリット。今後も、板書等従来の教材教具のメリットを組み合わせた効果的な授業を模索していきたい」と述べた。
【2005年3月5日号】