私学特集・特色ある私学経営
「85%が関心ある」
インターネットで学校と保護者を結ぶ手段
本紙6月5日号で紹介した日本工業大学付属中学校のように、学校経営を促進し保護者と学校を結ぶ手段としてインターネットを介したシステム(
*)を活用しようとしている学校がある。そこで、私立及び公立中学校に、関心の有無、導入の予定、導入する際の課題などについて聞いた。全国の私立中学校約50校、公立中学校約30校から回答を得た。
*日本工業大学付属中学校では、インターネットを介した「PTNet」の活用により、ホームルームや授業の様子をクラスのページなどにアップし、保護者・生徒・学校のコミュニケーションに成果を上げている。
■システムへの
高い関心 私立中学校では84%の学校が関心が「ある」と回答。公立中学校でも「ある」が85%に及んだ。
一方で、「どんな点で関心があるか」で私立と公立で大きな差が出た。私立では「学校活動の地域社会へのアピール」は14%と回答率が低いが、公立では48%とほぼ5割に達する勢い。反対に私立では、「学校と保護者間の新しい連絡手段」がトップで38%、「保護者、児童生徒とのコミュニケーションの活性化」の回答割合も約3割に及び、「生徒募集への効果が期待できる」も19%に達した。
■関心がない理由 私立では、「学校として必要性が感じられない」「保護者、児童生徒とのコミュニケーションは十分にとれている」が合わせて77%に及んでいるが、公立では「学校として必要性が感じられない」という積極的な?無関心理由は34%と非常に低く、反対に「現在の校務が忙しくてできそうにない」と高負担からの拒否が50%に達している。
■導入の検討状況 私立では、こうしたシステムを、「既に実施している」が18%に対し、公立は8%。「検討まではいかないが意見が出始めている」私立45%に対し公立35%と導入の以降は比較的私立で高くなっている。
■導入の際の課題 導入する際の課題を聞くと、私立では「学校内の運営体制」が最も高く41%、「費用の捻出」21%、「学校内での意見統一」20%がベスト3。公立では、「学校内の運営体制」30%、「コンピュータ技術の不足」20%、「費用の捻出」20%と、「コンピュータ技術の不足」の回答割合が私立に比べて高い。
その他の自由記述では、保護者のコンピュータ利用率、教師の技術差が及ぼす保護者との信頼関係への影響などが上げられた。
【2004年9月4日号】