私学特集
特色ある私学経営とは?
本紙・私学調査より
公立に比べ学校数は少ないが、進学実績、英語教育、生活指導、部活動などで信頼を得ているのが、私立中学・高校の教育である。それぞれの私学の得意とする教育内容の低下は、生徒の入学者減につながりかねず、真剣である。公立でも学校選択制を採用する市町村が増加している現代。今号からシリーズで「私学教育(経営)の特色」を追いながら、「現代に求められる教育内容」に迫ってみたい。
■「受験対策」「習熟度編成」を強調学校の独自性・特徴アピール
「校内LAN整備」は77% 生徒数の減少で私立中学・高校の経営も難しい時代にさしかかっているが、生徒募集において学校の独自性・特徴としてどんな点をアピールしているのか。本紙では、全国の私立学校500校をランダム抽出して調査用紙を送り、107校から回答を得た。
生徒募集において「現在強調」している割合が最も高いものは、「大学進学率」で73%。第二位「クラブ活動」68%、第三位「生活指導」66%と続く。反対に「意識していない」割合が最も高かったのは「授業料」で55%。また、「制服」も「意識していない」が意外にも43%と高く、「現在強調」41%とほぼ拮抗した。
私学では、授業料は多少高くても、強調すべきはやはり“独自の教育内容”ということだろうか。このことは、「現在強調」している「カリキュラムの独自性(制度)」にも現れ、「授業時間増」が62(複数回答数、以下同)と断突で、以下「週6日制」44、「海外留学」37と続く。また、「現在強調」している「カリキュラムの独自性(内容)」も、「受験対策」71、「習熟度別編成」70、「個別指導」53と、綿密な学力向上・受験対策が上位を占めた。
IT関係では、「優先する環境整備」(三肢択一)で最も割合の高かったのは「校内LAN整備」で77%。「提示型機器整備」13%、「提示型教材整備」10%の順になった。「活用しているeラーニング」も、「学習履歴管理」17%、「自宅学習対応」10%となんらかの形でeラーニングを活用している割合が27%にのぼった。
最後に、「有効な生徒募集の手段」は、「保護者対象説明会」74(複数回答数)、「生徒対象説明会」67%が1、2位を占めた。
(次号に続く)
【2004年7月10日号】