パズドラの遊び方を生徒に教わる |
今回から、兵庫県立大学環境人間学部がある姫路の高校生の取り組みを紹介する。昨年度、この連載で取り上げた高校生達の後輩である。
平成26年7月7日、同校の校内研修会で、彼らは普段勉強を教えてもらっている先生たちに、LINEやスマホゲームについて「授業」を行った。
その授業に先立ち、彼らは先生対象にアンケート調査を実施した。
表はアンケート調査の結果だが、生徒達はその違いに愕然とした。
「こんなに違うんなら、先生たち、私たちのこと、分からないよなぁ」。彼らの正直な感想である。
当初は「Twitterの鍵のかけかた」等、比較的高度な授業を想定していたが、この結果を見て、内容のレベルダウンを決行。最終的には、画面で実際のLINEやゲームの画面を見てもらって説明することになった。
LINEについては「グルチャ(グループチャット)」「スタンプ」「既読」等、基本用語の説明や「一日に多いときは1000以上のやりとりがある」など、現状を説明することになった。
ゲームでは、高校生に人気のゲーム、パズル&ドラゴンズの画面を示しながら、ゲーム方法の説明や魔法石について解説することになった。
写真は実際に高校生が先生たちに説明している場面だが、先生たちは興味津々。特にLINEの実演では、あまりの投稿の速さにどよめいた。
先生「メールとLINEの違いは?」
生徒「LINEは一度にみんなに話ができる。LINEだと早いと10秒で返事が来る。3分で100件たまることも」
先生「どうしてそんなにすぐに返事を?」
生徒「早く返さないと無視されたって相手が勘違いすることも」
先生「面倒じゃない?」
生徒「時々は。でもなかなか言い出せない(笑)」
先生方は口々に「想像以上だった」「実態が少しわかった気がした」「わかっているつもりだったけど、もっと知る努力が必要だと思った」と感想を述べ、好評だった。
生徒たちも「緊張したけど、先生たちが真剣に聞いてくれて感動した」「僕たちのために、スマホを知ろうとしてくれているのだと感謝」とうれしそうに話していた。
ほのぼのした空気の流れる教室に私も同席し温かい気持ちになった。これがこれからのリテラシー教育のあるべき方向性であろう。
【2014年9月1日】
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