小学生にスマホを教える |
今回は、猪名川の中高生がどういう対策をしようとしているか。
彼らの話し合いは「じゃ、どうするか」に焦点が移っていった。高校生の発言が印象に残っている。
「僕らだけで話しても埒があかない。偉い人と話したい」
常々、自分達で考えることが大切だと主張している彼らである。違和感があったので、真意を聴いた。
「僕らでできることと、できないことがある」
「僕らの思いをいろんな人に知ってもらって、大人も協力してほしい」
<僕たちからの提案> |
(1)小学生にスマホを教えたい 子どもたちに直接(公園での遊び方) スマホを実際に使いたい (2)スマホ教科書を作りたい イラストや絵を入れて(カラー版1) (3)スマホアンケート第2弾 |
そこで、町長、教育長など彼らが言う「偉い人」に彼らの思いを直接伝える機会を持った。「スマホのことをよくわかっている人に立ち会って欲しい」というので、総務省近畿通信局、兵庫県警サイバー犯罪対策課やEMA(モバイルコンテンツ審査・運用監視機構)、(株)DeNAの方々にも同席してもらった。
「偉い人」へどの様な提案をするのか。長い議論が続き、最終的に3つに絞った。左が当日、実際に提案に使ったもの。いろいろな意味で興味深い。
彼らは、中高生ではなく、小学生に教えたいと言う。「中高生は自分達で何とかできる。これからスマホを持つ小学生には、今からちゃんと教えといてあげないと」
スマホを実際に使ってわかりやすく教えるというが、驚いたのは、その授業のあと、小学生に「公園での遊び方も教えたい。本当におもしろい鬼ごっこを教える」。彼らの言い分はこうだ。
スマホが危険だとか、使いすぎるなとか言うだけでは無意味。スマホよりおもしろいリアルがあることを小学生に伝えることが重要。だから本当におもしろい鬼ごっこを教えたい、というのだ。
実際にスマホとともに生活している彼らだからこそ言える言葉だ。問題はスマホにではなく、リアルにある。このあたりに答えはあるのだろう。
教えるための教科書をイラストや写真を入れて作りたい。
次回は小1〜高3で、町内全部でやりたい。
同席した大人は彼らの提案を誠実に受け止めた。町は、小学生への授業、アンケートを快諾。EMAがフィルタリング等について助言し、県警は具体的な事例を紹介。必要なスマホ実機は(株)DeNAが用意。総務省近畿も情報提供を約束。私も学生達と一緒に、教科書づくりや教える内容、アンケート等について一緒に取り組む約束をした。こうして彼らのやる気に火がついた。
アンケートは町内の全小1〜高3で実施済み。夏休み返上で学生が分析にあたる。小学生への授業は11月に実施することが決定し、彼らは教科書づくりや授業内容等、具体的な話し合いに余念がない。(続く)
【2014年8月4日】
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