連載

スマホ時代到来(14) 〜今、大人が知っておきたいこと〜兵庫県立大学 准教授 竹内和雄

猪名川スマホサミット(3)

スマホ
女子高生は約3割が実際に会っている
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中高生全体で実際に会ったのは約2割

引き続き、猪名川の中高生が調査結果をどう受け止めたか。

調査結果を見て、彼らは「この数字、間違ってないですか?」と尋ねてきた。

出会いが多すぎるという主張かと思ったが、よく聞くと逆である。

「もっと多いはず」

「女子高生だけの結果では?」

左は女子高生のグラフ。彼らのいう通り3割が実際に会っている。

■面識ない人とのやりとり

「LINEだと簡単」

「友達の友達だし安心」

「Twitterでフォロー」

彼女達はあっけらかんとしている。知り合うきっかけは大きく2つという。

1つは、LINEのグループチャット。もう1つは、共通の趣味や属性を持つ者同士の交流サイト。好きなアイドルの応援ページ等だそうだ。

■実際の出会い

彼らはネット上でのやりとりを危険と思っていない。それどころか、リアルの人間関係よりも安心感を持っている場合が多い。

「考えてること書きあえるから安心」

「リアルだと何考えてるかわからないから怖い」

女子高校生は、中学の友達の友達とまずLINEで話すという。

「卒業アルバム見て『この子、紹介して〜』って」

「川西池田が出会いの場」

近隣の高校生はJR川西池田駅で乗り換えることが多いからだという。

ある生徒が友達(高2女子)の危険な体験を聞かせてくれた。20歳の男性とネット上で知り合い、実際会うことになり写真を交換したら、どう見ても自分の父親くらい。問い詰めたら「実は35歳」。すぐに連絡を止め、関係を切ったそうだ。

その後、その男性は、彼女の同級生に接触してきた。彼女は男性のプロフィールを周囲に教え、警戒を促している。

■大人として

彼らの無防備さを非難したり、叱責したりすることは簡単である。しかし、非難や叱責だけだと彼らの行為は潜行し、もっと見えなくなってしまう。重要なのはまず、この事実をまず大人が冷静に受け止めることである。彼らにネット上のやりとりの危険を充分に伝え切れていないのは、私たちの社会の責任である。早急な対策が必要である。(続く)

【2014年7月7日】

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