今回から兵庫県猪名川町の中高生の取り組みを紹介する。
私は、ゼミ生等と一緒に後方支援に徹したが、「子どもたちの小さな声を大人がしっかり受け止めた成功例」としての紹介である。
■アンケートを自作
昨年秋、猪名川町の中高生がスマホについて話し合った。
「いろいろ言われてるけど私ら、ちゃんと使ってるけどなぁ」
「先生とか、怖いとか、危険とか言い過ぎ」
「でも、使いすぎとか、あるかもなぁ」
彼らは「自分たちでアンケート項目を考えて、実態調査をしたい」「どうせなら町全部で」と言い出した。
数年前まで教育行政に携わっていたのでよくわかるのだが、現実することは非常に難しい。教育委員会だけでなく、校長会、PTAなど、どこかの誰か1人でも異を唱えると実現しない。
■町内全中高で実施
しかし12月に実現したのだ。人口3万人の小さな町だったことも成功の要因だろうが、関係者の子供を思う気持ちに敬意を表したい。
子供達は任せられると頑張る。その前提に大人の強いバックアップが必要である。猪名川の彼らも意気に感じたのか、顔つきが変わった。その結果、1800人以上のアンケートが集まった。私の研究室が分析を担当し、集計は(株)ディー・エヌ・エーにお願いした。
■アンケート結果
中学生 647人
高校生 711人
合計 1358人
不所持 24・9%
ガラケー 14・7%
スマホ 60・5%
彼らの予想通り、ガラケー使用者とスマホ使用者はかなり違うという、この結果自体も興味深いものである。中高生が話し合うには充分な題材だが、それ以上にこれは自分たちを含む集団のデータであることが重要である。
次回からは、彼らがこのデータをどう見て、どの様な対策をたてたか、彼らの声を交えながら紹介する。
【2014年5月5日】
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