連載

スマホ時代到来(11) 〜今、大人が知っておきたいこと〜兵庫県立大学 准教授 竹内和雄

スマホ座談会(3)

 現役高校生5人よる座談会「スマホと自分たち」の最終回。

―ネット炎上どう思う?

「コンビニの冷蔵庫」
「遊園地で悪のり」
「USJ!」
「みんなTwitterは、バカ発見器と言ってる(笑)」
「あれだけ事件になったらもう誰もしない」
「朝礼で何度も」
「警察とか来た」
「怖いぞ、人生台無し、とか言ってる」
「もう誰もしない」
「小学生とか心配」
「誰も教えてくれない」「あそこまでじゃないけど、あんな画像けっこうあったよな?」
「友達、慌てて削除した」

―先生、頼りになる?

「ぜんぜん(笑)」
「先生にだけは相談したくない」
「先生、ネットとかって張り切るでしょ??」
「うん、後輩が生徒指導に相談したら、頼んでもないのに朝礼で注意」
「え〜!」
「噂が広がって、その子、不登校になった」
「ひど!」
「いじめや」
「先生、要注意」

―どうしてほしい?

「知らないんだったら、勝手に動かんといて」
「どうしてほしいか、聞いてくれよって感じ」
「そう、この前なんか、先生、『LINEの書き込み、監視してるねんぞ』って嘘ついてきた」
「よくある話(笑)」

■彼らから 学ぶべきこと

 彼らの言葉は示唆深い。要約しよう。

(1)教育の必要性
ネット炎上事件については社会問題になり、今後は中高生はしないだろう。しかし、学んでいない小学生はやりかねない。教育が必要。
(2)教員には相談しない
教員は暴走するから相談しない。「教員に相談すると、勝手に動いてよけいややこしくなる」という。
(3)無知はばれている

  教員の無知は周知の事実。そういう人からの危険をあおる発言は効果が薄い。

■これからのために

 私は、この種の問題で、教員が生徒に伝えるべき言葉として次の3つを提唱している。

(1)いつでも相談に乗る
(2)自分は無知だが、知って"る人を知っ"てる
(3)暴走しない

 スマホ等の問題については、自分の無知を認めるべきである。大人に求められているのは、スマホ等についての知識ではない。困ったときの対処方略である。「知ってる人を知っている」とはそういう決意を込めた言葉である。さらに勝手に行動(暴走)しない安心感があれば生徒は相談にくる。教師に相談しないのではない。できないのだ。

  問われているのは、我々大人の心構えなのだ。

【2014年4月7日】

関連記事

連載

↑pagetop