前回に続いて、現役高校生5人による座談会「スマホと自分たち」の内容を紹介しよう。
―風呂とか食事中も?
「一応チェックしてる」
「臨戦態勢(笑)」
「関係あるときは書き込めるようにしてる」
―めんどくさくない?
「めんどくさい(笑)」
「見てないと、もっとめんどくさくなる」
「ブルッときたら一応見て、自分に関係あったらちょっと書き込む」
―親は何も?
「食事中はうるさい」
「うち食事中禁止だから、ご飯は早めにすます」
「スタンプくらいは一瞬だからばれない」
「2秒!」
「『食事中ごめん』ってスタンプほしいな」
「風呂では普通に」
「湯船でのんびり」
―ルールって必要?
「あっても守らない」
「けど、最近はルール欲しいなぁと思うことも」
「テスト前とかな」
「『LINEでオールで頑張ろう』とか言っても結局勉強できない(笑)」
「やりとりに夢中になって、勉強どころじゃない」
「テスト前は親に禁止されて、って言ってる」
「あと、夜の終了時間は決めたいな。習慣になったらやめられない」
―親に強制的に?
「それもなぁ(笑)」
「でも、親との約束で11時に離脱する子、時々うらやましい」
「昔はかわいそうだったけど、自分の時間もほしいなと」
「ほんとは友達同士でルールが作れたらいいんだけど」
―話し合わないの?
「だって難しい」
「『うちらとやるのいやなん?』とか思われそう」
「みんなもホントはいろいろ思ってると思う」
「面と向かってはなかなか言えないよね」
■彼らの言葉の意味
彼らはもちろん、スマホを楽しんでいる。友達とのやりとりだけでなく、調べ物やゲーム。
しかし、スマホに四六時中縛られている生活に疑問を感じ、何とかしたいと考えているのも事実だ。
私たちの社会はまだ、この便利な機械とのつきあい方についての知恵の蓄積がない。親としての躾の方法、ルールづくりも万人が試行錯誤状態。子どもたち自身も実はかなり戸惑っている。
彼らの話の中で、「口うるさい親がいる人がうらやましい」という発言が何度も出た。このあたりにこの問題の核心があると感じている。
■親として大人として
この種の問題は子どもたち自身に話し合わせることが大切だ。私が常々主張していることだが、最近は、その前提として、彼らに私たち大人の見解を伝える必要があると感じている。ただ大切なのはその伝え方である。闇雲に危険さを煽ったり、彼らの不道徳をなじるだけでは彼らの心のシャッターが降りてしまう。
子どもたちと話していて、「今問われているのは、私たち大人の姿勢だ」と痛感している。(続く)
【2014年3月3日号】
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