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【第4回】輝く!ICT支援員 −ICT活用支援の現場から

デジタル教材の提案は活用イメージが湧くように−茨城県美浦村ICT支援員 大曽根潤さん

■ICTの活用提案ではデジタル教材もセットで準備することが必要ですよね?

ICT支援員
タブレットPCで児童個別に取り組む

  担当の木原小学校には各教科のデジタル教科書と「学習探険ナビ」という全学年パッケージ型の教材ソフトが導入されています。先生の授業進度に合わせて、自分でも一通り事前に見ておきます。個々のデジタル教材が「先生主導の一斉指導」、あるいは「児童個別の取り組み」のどちらの授業スタイルで使うのがよいのかなどを考えておきます。その上で、先生には「こんなデジタル教材があります」ではなく、「授業のどの場面で、どう活用すると良いのか」をお伝えするようにしています。

■先生が具体的にイメージしやすいように、ということですね。デジタル教材が効果を発揮したと思われた実践例があれば教えてください。

  6年生算数の「対称な図形」の単元の授業で、課題把握の後、探究・自力解決を目的とした展開の場面がありました。タブレットPCで児童個別の取り組みを可能とするデジタル教材が求められており、教材ソフトから活用提案を行いました。その教材ではあらかじめ多様な図形素材が用意されており、それらが対称になっているかどうか、また対称になっている場合は、線対称か点対称かを考えさせました。児童が多くの図形にふれ思考を深められたことやデジタルの特性を生かした試行錯誤がしやすく集中して取り組めたことなどの効果を先生に感じていただくことができました。

■デジタル教材の効果が期待できる場面を考えて準備や提案が生きた事例ですね。

  提案後すぐに実践されなくても「大曽根さん、以前漢字の筆順をアニメーションで見せられる教材を紹介してくれましたよね?」という感じで、数か月前に行った提案について支援することもあります。

■提案内容が先生の記憶の引き出しに一時保管され、先生の授業の目的と一致したときに活用されることもあるということですね。

 ありがとうございました(次回続く)。

 

【ICT支援員サービス問合せ】
株式会社ベネッセコーポレーション小中学校事業部 Tel:0120‐8888‐44 http://www.teacher.ne.jp/ict/

 

◆輝く!ICT支援員 −ICT活用支援の現場から

(1)「必然性ある場面」でのICT活用を心がけて
(2)「多様な考えを知り、 理解を深める効果」を実感
(3)授業支援をスムーズにするコミュニケーションとは?
(4)デジタル教材の提案は活用イメージが湧くように
(5)ICT支援員として働く上で一番大切な力
(最終回)ICT活用状況に感じる担当校の変化

【2013年1月1日号】

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