アジア24の国と地域の子どもたちが、絵日記を通して自分たちの生活・文化を発信し、国境や言葉の違いを超えて交流をはかる「三菱アジア子ども絵日記フェスタ」(以下=絵日記フェスタ)。現在「伝えたいな、私の生活」をテーマに作品の募集を行っているが、いよいよその応募締切が、年明け1月18日に迫ってきた。
アジアの“仲間”に加わろう 感激や感動を伝えるツールに
例年、カラフルな絵と素直な文章で自国の文化や生活を表現した作品が集まっており、子どもたちにアジアの国々に対する興味や理解を促すよいきっかけとなっている。
始まりは識字教育への貢献 その後国際交流に重点を
絵日記フェスタは、三菱広報委員会、アジア太平洋ユネスコ協会クラブ連盟、(公社)日本ユネスコ協会連盟が、1990年から始めた「国際文化交流事業」に遡る。当初は国連が制定した「国際識字年」に掲げられた「全ての人々が読み書きできる世界を」という趣旨に賛同し、スタート。
その後、当初の趣旨は引き継ぎつつも、より「アジアの子どもたちによる国際交流」に重点をおいた活動として発展し、参加国・地域も8つの国から現在は24の国・地域へと広がった。めまぐるしく変化する世界情勢。とりわけ変化の大きい「アジア」という地域に絞って作品を募集していることに、大きな意味と、面白さがある。
同フェスタを主催する三菱広報委員会事務局は、10歳前後という多感な時期にこそ、アジアが、そこに暮らす人々が、どれほど多様性に満ちているかを肌で感じてほしいと考えている。
事務局担当者は、「本フェスタが提供している国際的な作品公開の場に多くの作品を寄せて、アジアの仲間に、日本の日々の生活や彩りにあふれた文化や遊びを教えてあげてください。ひとりでも多くの子どもたちがこのフェスタに参加してくれて、ともによりよいアジアの未来を築くことができる“仲間”になってくれたら、それに勝る喜びはありません」と話す。
グランプリ受賞者の交流 来夏に神戸市で開催
各国のグランプリ受賞者は来年8月に、兵庫県神戸市に招かれる予定だ。日本が諸外国に向けて開いた港の町で、国際表彰式やグランプリ受賞者全員による共同作品の制作、地元神戸の小学生との交流イベントなどを通じた国際交流が予定されている。
同事務局は「生活も文化も言語も全く異なるアジアの子どもたちと実際に交流することは、アジア、ひいては、世界に目を向ける大きなチャンスになると思います。自分が綴った5枚の絵日記をきっかけとして、ここに集うたくさんの“仲間”とつながってほしい」と、子どもたちの無限の可能性に期待している。
アジア24の国・地域の子どもが参加 |
多様な文化を学ぶ機会に |
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【三菱アジア子ども絵日記フェスタ2012‐2013】
対象=6歳から12歳(応募時点)、作品規定=1作品5枚つづり(A4縦)・画材は問わない、テーマ=「伝えたいな、私の生活」、締切=2013年1月18日(当日消印有効)、発表=2013年4月予定の「国際選考会」終了後に通知、応募者全員に「オリジナルクリアファイル」を贈呈。
問合せ=03・5777・6825 http://enikki.mitsubishi.or.jp/
【2012年12月3日号】
【連載】絵日記から始まる国際交流 −三菱アジア子ども絵日記フェスタ