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【第2回】輝く!ICT支援員 −ICT活用支援の現場から

「多様な考えを知り、 理解を深める効果」を実感−茨城県美浦村ICT支援員 大曽根潤さん

■前回、「必然性ある場面でのICT活用」というお話をいただきました。ICT活用の効果とはどのようなものだと思われますか?

  数ある効果の一部だとは思いますが、5年生の先生にご提案して行われた授業を例にお話しします。算数の図形の単元で、各自がタブレットPCで考えた内容を電子黒板で発表する、という授業展開でした。電子黒板というICT機器を使うことで、「一人ひとりがとても意欲的に発表する」ことにとても効果があったと思います。

■なぜ電子黒板を使うことで児童が意欲的に発表できたのでしょうか?

  電子黒板ですと、児童でも容易に図形の移動や書き込みができます。そうすることで「分かりやすく、自信を持って説明する」ことができたのだと思います。

■その授業で他の点でICT活用の効果を感じられることはありましたか?

ICT支援員
タブレットPCを使って
児童が考えをまとめる

  先生が「授業時間内に多くの児童の考え方を取り上げることができる」ようになっていたと思います。普通の黒板だと、板書に時間がかかる上に、黒板上のスペースも限られるため、発表できる人数も限られます。電子黒板であれば、板書の必要がなく、かつ考え方を書き込んだ画面データを保存できるので、次の授業で一人ひとりの考えや複数の児童の考えを提示させることができます。

■結果として、子どもたちも「多様な考えがあることを知り、自分の考えと比べるから理解を深めることができる」ということですね。

  はい。他にも画面転送ソフトを使って児童個々の考え方を把握し、普段は発言の少ない児童に発表させるなどの工夫がなされていました。児童の意見交換を活発にさせることに有効であったようです。

■なぜ、そのようなご提案ができたのですか?

  5年生の先生の授業より前に、6年生の先生が国語の授業で同様の機器の活用方法をされているのを見せて頂き、効果をお伝えすることができていたからだと思います。

■校内の良い活用方法を他の先生に紹介することもICT支援員ならではの活動ですね。ありがとうございました(次回続く)。

 

【ICT支援員サービス問合せ】
株式会社ベネッセコーポレーション小中学校事業部 Tel:0120‐8888‐44 http://www.teacher.ne.jp/ict/

 

◆輝く!ICT支援員 −ICT活用支援の現場から

(1)「必然性ある場面」でのICT活用を心がけて
(2)「多様な考えを知り、 理解を深める効果」を実感
(3)授業支援をスムーズにするコミュニケーションとは?
(4)デジタル教材の提案は活用イメージが湧くように
(5)ICT支援員として働く上で一番大切な力
(最終回)ICT活用状況に感じる担当校の変化

【2012年11月5日号】

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