研修会の準備をする大曽根さん |
■これから6回にわたり、ベネッセのICT支援員として昨年より茨城県美浦村で活動している大曽根潤さんにお話をお伺いします。まず、ご担当校のICT環境を教えてください。
美浦村は、3つの小学校が平成22年度に総務省事業の「絆プロジェクト」の指定を受けており、PC教室の他に普通教室用に77インチの電子黒板と4年生以上の児童に1人1台分のタブレットPCが整備されています。
■大変先進的な環境ですね。大曽根さんの支援内容について教えていただけますか?
学校には毎日常勤で訪問しており先生方のICT活用に関わるすべてのご支援を行っています。校務支援やトラブルへの対応もありますが、授業の準備やティームティーチングとして先生と一緒に授業に入らせていただくなど、授業支援の割合が最も多いです。
■先生とは立場が異なるICT支援員が授業支援を行うには相当な工夫が必要では?
そうですね。ご自身で新しい取り組みを次々と行われる先生がいらっしゃる一方で、ICTの活用経験の少ない先生の中には「使わなければ」というプレッシャーをお感じの先生もいらっしゃいます。ただし先生ご自身は児童一人ひとりに課題に取り組ませ「思考力・判断力」をつけさせたいなど、授業のなかで実現したいイメージをお持ちです。先生の意図をしっかり伺い、授業で実現されたい狙いを把握し、ただICTを使うのではなく「必然性のある場面でのICT活用」を心がけ、先生の心理的な負担を軽減するようにしています。
■先生と一緒に授業を作る感じですね?
はい。これまでICTに苦手意識のあった先生に「授業の狙いそのものに到達するツール」として、ご自身の経験から一歩踏み出した活用方法にチャレンジしてもらい、ICTの効果を実感していただいたときが、この仕事をして一番うれしい時ですね。
■ICT活用をきっかけとして先生が授業そのものを捉えなおす機会になるのは理想的ですよね。次回からはICT支援のための学校内外の活動についてお伺いします。
【ICT支援員サービス問合せ】
株式会社ベネッセコーポレーション小中学校事業部 Tel:0120‐8888‐44 http://www.teacher.ne.jp/ict/
◆輝く!ICT支援員 −ICT活用支援の現場から
(1)「必然性ある場面」でのICT活用を心がけて
(2)「多様な考えを知り、 理解を深める効果」を実感
(3)授業支援をスムーズにするコミュニケーションとは?
(4)デジタル教材の提案は活用イメージが湧くように
(5)ICT支援員として働く上で一番大切な力
(最終回)ICT活用状況に感じる担当校の変化
【2012年10月8日号】
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