◇
■モデル校で3年間かけ
カリキュラムを開発
高校生にしろ大学生にしろ、離職率が高い傾向があり、その悩みは深刻です。これは職業のことを考えずに世の中に出てしまうことが一因。そこで神奈川県では平成16年後半から、キャリア教育についてプランニングしてきました。今年度はモデル校を13校決め、これから3年かけてそれぞれの学校に合ったカリキュラムについて研究開発を行い、20年度にはそのカリキュラムを提示、全学校で取り組む予定です。
キャリア教育を取り入れやすいのは「総合的な学習の時間」ですが、それだけで終わっては困る。職業観に結びつく教育を各教科で取り組む必要があり、そのためのカリキュラム開発です。
■ジョブサポーターで
キャリア教育を支援
また、「ジョブサポーター」を非常勤講師枠で雇用、各校で実施するキャリア教育の支援を行います。ジョブサポーターは、インターンシップの受け入れ先の開拓や、地域や企業と学校との橋渡しなどが主な役割です。行く行くはキャリアカウンセラー的な役割を担ってほしいと考えています。
これは昨年度まで国の緊急雇用対策で70校に派遣しており、評判が高かったものです。今年度からは支援が終了しましたので、県で継続、校長裁量での採用となりました。今年度は20校に派遣していますが、将来的には全校に派遣したいと考えています。
■キャリア教育導入の目的
自分に自信のない高校生が多いのです。体験が不足しているのですね。もっと、自分に自信を持たせたい。そのために、自分が役立つ人間であり、問題が起こったときにも解決できる、という経験を積ませていきたい。同時に、社会の中で自分がどのような役割を果たしていくのか、自分自身の可能性を探ってもらいたいですね。
■キャリア教育は
教員のヤル気が問われる
現在、センターではキャリア教育に関する研修を行っており、キャリア教育に関する説明会も開催しています。また、18年度以降はキャリアカウンセリングやキャリア教育展開のためのコーディネート能力など、中核的役割を担う教員の研修を検討しています。
キャリア教育の内実はまだまだ流動的。これにどう関わっていくか、が教員のヤル気のリトマス紙となります。その時だけで消えてしまう学力ではなく、将来的に伸びていく、強い学力をつけて欲しい。そのために外部の力は積極的に借りていきますが、まずは先生自身に学んで頂き、キャリア教育的な視点を養って頂きたい。生徒を理解するプロが「教員」なのですから。
神奈川県のキャリア教育 http://www.pref.kanagawa.jp/osirase/kokokyoiku/kenritu/career/index.htm
【2005年10月8日号】
【キャリア教育】