【第10回】ICTキャンパス 徳島大学附属図書館蔵本分館

学生のタブレット端末と大型タッチディスプレイを連携

徳島大学附属図書館蔵本分館
タッチディスプレイを使用しての
グループ学習風景
徳島大学附属図書館蔵本分館
テーマ展示の様子。写真は第10回「先人たちに学ぶこと」。「Molecules」(分子模型の回転)のアプリを紹介している

ディスカッションが 円滑かつ効率的に

徳島大学附属図書館は、本館と蔵本分館の2館で構成されている。今回紹介する蔵本分館は、医学・歯学・薬学・栄養学・保健学分野等に関する学術資料を所蔵する生命科学系の専門図書館。教育・研究者のみならず病院および地域医療従事者の教育・研究活動を支援している。

蔵本分館では、2012年5月のリニューアルオープン時に、学生の主体的学習を支援する観点からラーニングコモンズ(学生が集まり蔵書や情報機器などを活用して学習できるスペース)を設置するとともにグループ学習室を大幅に増設、ICT環境も整備した。

「生命科学系の教育研究分野では、X線画像、CT・MR画像、人体の3次元構造、病理組織像、生体分子構造モデルなどの画像情報をいかに利活用できるかが重要になってきます」(徳島大学図書館蔵本分館 蔵本利用支援係・国見裕美氏)

手軽な情報共有でグループ学習の形が一新

そこで、学生のタブレット端末に保存されている情報をグループ学習室に設置した大型タッチディスプレイへ表示し学生間で情報を共有して、ディスカッションやグループワークを円滑かつ効率的に行えるようなICT環境を整えた。

機器を設置するだけでなく、利用する学生に、職員が操作方法を説明したり、無線LAN設定の相談にのるなど、きめ細かく支援している。昨年度におけるグループ学習室の利用者数は延べ2万人を超え、入館者数はリニューアル前と比べて約2倍に増えている。

タブレット端末とタッチディスプレイとを連携したことのメリットを国見氏は次のように話す。

「簡単な操作で共有・保存でき、ディスカッションの流れを止めることなく内容を深められるようになりました。また、ペーパーレスでディスカッションできることもメリットのひとつです」

学生の利用方法は多彩で、タッチディスプレイのホワイトボード機能を用いてディスカッションを行ったり、文書作成ソフトを使い共同で資料を作成したり、プレゼンの練習を行ったりと様々な用途で用いられている。

「手軽、情報共有、ワンストップという3つの点が、グループ学習の形を一新したと思っています」(国見氏)

iPadアプリの デモ展示が好評

蔵本分館の1階エントランスホールでは「テーマ展示コーナー」を2012年11月から展開している。同コーナーは、教員監修のもと、旬のテーマや学際的なテーマを取り上げ、関連する図書とiPadアプリを展示するものだ。

iPadと80型タッチディスプレイとを連携させた医療系iPadアプリのデモ展示では、iPad画面を大画面で見ることができるため、アプリの動きがとても分かりやすいとデモを体験した人からは好評だ。

今後は直接利用者のタブレット端末同士で画面共有ができるようにしていくことを検討中だ。利用者が「いつでも・どこでも・手軽に」ICT機器を使えるような環境整備を行い、学生の自主的・主体的な学びの支援を目指していく考えだ。

【2014年10月6日】

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