教育委員会対象セミナー・東京 ICT機器の整備計画/校務の情報化
7月2日、教育家庭新聞社は第17回教育委員会対象セミナーを東京で開催した。これは全国の教育委員会を対象に、ICT活用や校務の情報化の進め方、その成功事例の共有のために開催しているもの。今年度は、以後6回の開催を予定。【開催予定】8月7日(京都)/10月10日(大阪)/11月14日(東京)/1月29日(福岡)/2月13日(名古屋)/3月27日(岡山)詳細は、教育家庭新聞社Webまで。
春日学園春日小中学校 毛利靖教頭 |
平成24年に開校した施設一体型小中一貫校・つくば市立春日学園春日小学校・中学校。児童生徒数約1000人からのスタートだったが、その教育環境や教育内容が評価され、3年目を迎える現在はその約1・5倍、次年度の入学予定者は200人以上と人気を集める。思考ツールを使った「考える時間」等特色ある教育を取り入れ子供の力を着実に育んでいること、地域と連携した活動で子供達の成長ぶりが地域に浸透しやすいことから、評価が年々高まっているようだ。同校では小中一貫教育における「つくば次世代スキル」の育成を目標に、「つくばスタイル科」の実践、小・中兼務発令による教科担任制、「考える時間」(年8回)の新設、ICT環境の充実と日常的な活用、発信型のプロジェクト学習、9年間の系統的な外国語活動と英語、異学年合同活動を積極的に行っている。
成果として、茨城県では「英語インタラクティブフォーラム」という独自の大会を開催しており、県内の学校では大会に向けた熱心な指導が行われている。単なるディベートではなく、相手が困っているとフォローするなど英語力のみならず、受信して考える力、コミュニケーションしつつ発信する力など「インタラクティブなやりとり」を評価されるもの。同校の生徒は昨年度、同県大会で県知事賞、教育長賞をダブルで受賞した。
市主催のプレゼンテーションコンテストや、首長が参加する「子供議会」にも参加しており、子供達はそこで堂々たるプレゼンや提案を披露している。その成果は数値にも現れており、全国学力・学習状況調査では特にB問題の成績が向上している。
同校ではタブレットPCを活用した協働的な学習や個別学習、交流活動が日常的に行われている。毛利教頭は「タブレットPCはPC室での活用ツールにとどまらず、社会を変えるツールになっており、本物の学習につながっている」と話す。
テーマを決めて、調べる、話し合う、考える、まとめて発信・発表していく活動はあらゆる教科で展開。子供がアンケートをとって集計、それをプレゼン作りに活かす姿も見られる。家庭科ではタブレットPCを活用して栄養計算をしてから調理実習を行う。音楽では絵を見てタブレットPCを使って作曲活動を行う。
個別学習でも活用。市では家庭学習システム「つくばオンラインスタディ」を古くから活用しており、家庭や帰省先からでも学習ができる。
協働学習支援ツールや電子掲示板などで市内外の子供達と情報交換、考えを深め合う活動が日常化しており、子供達は「PCを使うほうが情報発信しやすく交流しやすい、工夫しやすくよりよいプレゼンテーションを作成できる」と評価している。(講師=つくば市立春日学園春日小学校・中学校 毛利靖教頭)
【教育委員会対象セミナー・東京:2014年7月2日】
【2014年8月4日】
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