タブレット型PCの導入・検討拡がる

  子どもの学習意欲が高まる、タッチパネルで簡単に操作できるなど、タブレット型PCを授業で活用することで、教育効果が高まることが期待されるとして、平成25年度当初予算でタブレット型PCを教育現場に導入し、様々な取り組みを行う自治体が増えている。

 東京都多摩市では、「学校情報環境整備事業」(3か年事業の初年度)として1億2500万円を計上。老朽化した教育用PCの入れ替えにあたり、タブレット型PC等を中心とした「次世代教育システム」の機器・ソフトウェア等を導入する計画だ。学校内で自由に使えるタブレットPC等の導入により、子どもたちにとって分かりやすく多様な授業が提供され、教員の教務・校務負担の軽減を図るため、次世代の学校情報環境システムの整備が進められる。

  東京都狛江市では、児童の学習に対する意欲を高めるため「情報教育推進費」として5921万円を計上。すべての小学校にタブレット型PC合計246台が導入される。あわせてデジタルコンテンツ作成・活用支援(緊急雇用)を実施し、ICTを活用した授業の補佐も行われる。

  愛知県・岡崎市教育委員会は、新規事業として「英語指導用タブレット型情報端末導入業務」に691万円を計上。中学校の英語指導にタブレット型PCを導入し、個別またはグループ学習を進めることで、小学校英語を通して身に付けた英語力を一層高めるとともに、英語学習に対する強い関心や意欲が高められる。また、岡崎市現職研修委員会英語部が自作した副教材「Our City OKAZAKI」のデジタル版を活用。生徒は、タブレット型PCを使って個の能力に合わせて効果的に学習が進められる。

 滋賀県・草津市教育委員会は「学校ICT推進費」として1307万円を計上し、45台のタブレット型PCを導入。10台のタブレット型PCを、すべての学校の特別支援学級に持ち回って、子どもの特性に応じた活用が行われるほか、研究指定校1校には1学級分のタブレット型PC35台を導入し、これからの時代をリードする授業研究が進められる。また、ICT支援員を配置することで、タブレット型PCの円滑な導入および活用が促される。

  大阪府寝屋川市では、市政運営方針の一つとして「夢を育む学びのまちづくり」を掲げ、ICT環境の充実が図られる。分かりやすい授業づくりを推進するため、小学校3・4年生の教室に電子黒板を導入するとともに、すべての小学校にタブレット型PCが導入される。

  兵庫県小野市は当初予算に80万円を計上し、特別支援学校にタブレット型PCを導入。平成24年度に5台導入した事業をさらに拡充し、平成25年度は10台のタブレット型PCを導入。障がいのある児童生徒に対し、タブレット型PCを用いた学習支援が行われ、障がいに応じた使用方法を民間事業も活用しながら研究を進めることで、学習意欲の向上や授業改革が図られる。

【2013年4月8日】

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