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【特集】指導者用デジタル教科書・教材 活用頻度と学力向上に関連

指導者用デジタル教科書 活用分析−「正確な拡大」に高評価

 玉川大学と内田洋行教育総合研究所の産学連携で2009年からスタートした「UTプロジェクト」では、「普通教室のICT環境と指導者用デジタル教科書の機能に関する調査および研究開発」に取り組んでおり、2月10日、内田洋行本社にて3年間の研究成果発表会を開催した。2011年度の研究成果から、指導者用デジタル教科書についてまとめる。研究代表者は堀田龍也教授(玉川大学教職大学院)。

UTプロジェクト報告より
表
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  小学校では2011年度から新しい学習指導要領がスタートし、各教科書会社から指導者用デジタル教科書が提供されていることから、普及段階にある市販の指導者用デジタル教科書について、実際の授業においてどのような機能が使われているのかについて、全教室に電子黒板やプロジェクター、テレビなど「提示環境」を常設した学校を対象に、アンケート及び教員2名計4コマの授業記録ビデオを基に調査、分析した。

  それによると、指導者用デジタル教科書において最も教員に評価されている点は「教科書通りに拡大提示ができること」であった。

  各授業では、60%以上の時間でICT機器が活用されており、このうち指導者用デジタル教科書が活用された時間は50%弱と高い。授業の中でデジタル教科書が大きな役割を果たしていることがわかる。

  デジタル教科書の中で最も活用されているのは、教科書の図や絵、文などの拡大提示だ。

  そのうち図の拡大が70%と最も高い。次に多いのが、本文や語句など何かに注目させるために指し示すこと、次いで動画再生機能など。

  指導者用デジタル教科書と電子黒板の機能には共通したものがある。その使い分けについても分析したところ、拡大提示はデジタル教科書で、ペンなどによる書き込みは電子黒板で主に活用されている。

  その理由として、デジタル教科書上で拡大したほうが図などを鮮明に提示できることが理由として挙げられている。

  それに対して電子黒板で活用された機能のほとんどは、主にデジタル教科書の機能を呼び出すための「画面タッチ」機能だ。次いで、ペン(赤)機能、消しゴム機能など。

  授業記録ビデオの分析によると、操作ミスの頻度も多く、平均して10分に1回程度のミスがある。

  これは、デジタル教科書の機能と電子黒板の機能を混在してミスする場合が多く、授業が進み、指導教員の集中が増すにつれミスの頻度が増す傾向があると分析できる。これについては、スキル向上によって防げるものではなく、インターフェイスの改良が必要であると指摘した。

授業時数の多い 教科から導入進む

  現時点で小学校において指導者用デジタル教科書の導入が多い教科は、国語、算数、理科、社会だ。ヒアリングによると、理科や社会において拡大効果の大きさは認められているものの、導入当初は授業時数が多いものから選択していく傾向にある。

  利用率が特に高いものは、内田洋行で提供しているネットワーク版のデジタル教科書アクセス数から判断すると、国語と算数だ。国語は1〜4年で活用率が多く、算数は各学年平均して多い。

  国語が高学年で活用率が低くなる理由として、動画資料についての効果は高学年でも安定したニーズがあるものの、教科書本文の文字が小さくなるため、提示効果が低・中学年と比較して小さくなることや、挿絵の提示によって理解を図る場面が少なくなることが原因と予想される。これについては、より大きな画面で提示できる環境を提供した場合の分析も必要になりそうだ。

  指導者用デジタル教科書は、各教科書会社が出しているため、インターフェイスが異なる点についても課題とされた。各教科の特性もあり、全て同じインターフェイスにすることは難しい面はあるが、指導者用デジタル教科書におけるガイドラインの策定は今後の課題となりそうだ。

指導者用デジタル教科書で学力が向上する
表2
表(2)クリックすると大きく表示します

 野中陽一氏(横浜国立大学教育人間科学部准教授)は、教室のICT環境について、平成21年度「学力調査を活用した専門的な課題分析に関する調査研究」の結果から、「電子黒板や教育用PCなどが常設されていないと活用頻度が上がらず、整備効果が思ったように出ない。『常設』して初めて、先生たちは次のステップに進むことができる。国語や算数でデジタル教材や指導者用デジタル教科書を活用すると、正答率が上がるという調査結果も出ている」と、指摘した。

  これは、平成21年度の「全国学力学習状況調査」と、平成20年度の「学校における教育の情報化の実態等における調査」を比較分析したもの。国語A問題及びB問題、算数A問題及びB問題と学校の情報化の実態の関係を32市468校について分析した。

  それによると、教科書準拠コンテンツをほぼ毎日活用している学校は、ほとんどまたはまったく活用していない学校と比較し、国語A問題では3・9点、B問題では6点、算数A問題では2・7点正答率が高い。特に国語で応用力を問うB問題で差異が大きいことに注目したい(※表2参照)。

  なお電子黒板は、全教室に整備されることによって活用頻度は高くなるが、学力との関連は見られなかったと言う。提示機器の整備だけではなく、教材提示の重要性が再認識された結果と言える。

【小学校国語】 話し合いで考えを深め発表内容も論理的に―横浜市立高田小学校

電子黒板
デジタル教科書を開くと、 前時までの書
き込みもそのまま残っており、振り返りがし
やすい。
電子黒板
考えの根拠を示しながら発表する

 小学校において平成23年度から始まった新学習指導要領に伴い、各社から指導者用デジタル教科書が提供されている。デジタルテレビの全普通教室導入校も半数を超え、デジタル教科書の導入が進みつつある。中でも最も導入率が高い教科は、授業時数の多い国語科だ。活用を始めたばかりの学校も多い中、光村「国語デジタル教科書」を授業で活用し始めて7年目を迎える佐藤幸江教諭(横浜市立高田小学校・松井佳奈子校長)の授業を取材した。

 同校には全普通教室にデジタルテレビがあり、電子黒板も各フロアーに2台、国語のデジタル教科書は全学年で活用している。デジタル教科書の活用で、子どもたちの国語への関心度が高まっているという。

  この日の授業は「スーホの白い馬」(2年下)のクライマックス、白馬が命を落とし、スーホの夢に出てくるシーンだ。

  これまでの話を振り返った後、佐藤教諭は、「白馬がしんでしまったあとのスーホについて読みとり、自分の考えをもとう」という課題を提示し、この時間に読み始める教科書のページを電子黒板に投影した。

  デジタル教科書上には、これまでの授業の中で読み取ってきた線が引いてある。スーホの気持ちは赤、白馬の気持ちは緑、とのさまの気持ちは青だ。

  「最後の部分ですよ。心をこめて音読しましょう」

  1人ひとりが思いを込めて音読していく。

  これまでの学習の中で、児童は、説明的な文章の中では「時間」を表す言葉によって場面が変わること、物語的な文章の中では「クライマックス」で主人公の気持ちが大きく変わることを学んでいる。

  音読の後は、クライマックスでのスーホの気持ちの変化を読み取ろうと、改めて教科書を読みなおし、スーホの行動がわかる表現に線を引き、「そこからどんなことを考えたか」について、各自ノートに発表内容をまとめていった。

  「人は好きな人のことを夢に見る。スーホは白馬のことが大好きだったから夢に見た」、「白馬がスーホの大切な羊を守ってくれたとき、『これから先、ずっと一緒だよ』と言っていたから、白馬がいたときと同じように、どこへ行くときも馬頭琴を持って行った」

  発言が重なるに連れて「つけたし」発言が増え、文章がつながっていく。スーホや白馬の気持ちに寄り添い、それをなんとか表現しようと言葉を探しているせいか、友だちの発言をきっかけにさらに発見があったり、新しい言葉が見つかったりするようで、発表したい児童の手は挙がり続けていた。

  佐藤教諭は、発表で出る様々な意見を、整理しながら板書にまとめていった。同じ意見の場合は、その発言の部分にマグネットの名札を置き、発言した児童が満足感を得られるよう工夫していた。

電子黒板
友達の意見を理解しやすくなり、話し合いに
よる発見が生まれる
馬頭琴の音色を動画資料で確認する

授業目的に合わせ 素材を使い分ける

  佐藤教諭は国語デジタル教科書のメリットについて、「児童が自分の考えの根拠になる言葉や文章に線を引いて示すと、同じところに線を引いていた児童が自分の考えと同じ点や違いを考えるようになり、話し合いによる発見が生まれやすくなった」という。

  「自分が読み取った考えの根拠として教科書の該当部分を共有することは、低学年では難しいことでした。デジタル教科書を使うことで、他の児童がなぜそのように考えたのかを理解できるようになりました。友だちの意見が理解できるようになると、お互いの意見を聞き合えるようになり、さらに読み取りが深まります」

  低学年において、「挿し絵」は言葉の理解を助けるための重要な要素のひとつだ。デジタル教科書の挿絵を電子黒板やデジタルテレビなどで大きく映すことで、挿絵に注目し、考えたり想像したりすることに集中しやすくなる。

  「モンゴルの草原や家、スーホやとのさまの生活のちがいなど、言葉だけでは理解が難しいことは、挿絵からイメージを広げ、言葉の理解につなげています」

資料映像で言葉の理解を深める

  デジタル教科書ならではの資料映像も児童の理解や教材研究に役立っている。

  「以前は馬頭琴の音を探すだけで大変でした。資料映像にある馬頭琴の美しい音色と演奏している様子は、スーホが白馬の皮や筋で作った馬頭琴を奏でている姿や気持ちを想像させることに、とても役立ちました。授業目的に合わせて、豊富な要素をどう組み合わせて使うかを考えて授業作りに取り組んでいます」

  後期も終盤を迎える時期の「スーホの白い馬」は、1年間の学習の集大成として、これまで培ってきた「読み取る力」「発言力」を活かす場として位置付けていると言う。その言葉通り、これまで学んだことが読み取りに生かされている様子がよく分かる授業が展開された。

  次の時間は、「スーホの白い馬」のお気に入りの場面の紹介と感想を、iPadを使って家族に紹介するための活動の準備を行う。ICTを活用した授業の可能性はさらに広がりそうだ。

【小学校社会】授業を組み立てる引き出しが増えた―姫路市立旭陽小学校

 既に全小学校・全普通教室に電子黒板や書画カメラ、コンテンツサーバーなどを配備している姫路市教育委員会では、平成23年度から研究協力校3校において、国語、算数、理科、社会の指導者用デジタル教科書の有効性の検証に取り組んでおり、来年度からは児童の学力向上における関係の検証にも取り組む。研究協力校の1つである姫路市立旭陽小学校(兵庫県・松本敏和校長)では、社会科の指導者用デジタル教科書(東京書籍)の活用を進めている。6年生の授業を取材した。

「隠して提示」で理解・定着が進む

  この日の授業は、6年社会科「日本とつながりの深い国々」だ。授業者は下野哲宏教諭。

  電子黒板には、デジタル教科書に掲載されている円グラフが拡大して提示されている。

  日本の「輸入相手国」「輸出相手国」円グラフだ。グラフに記載されている国名は、デジタル教科書の機能のひとつである付せん機能で隠して提示。国名を予想させることで、児童の興味関心を引きつける。

  輸出入共に児童の予想で圧倒的に多いのは、中国、アメリカ、韓国。これは、前時に調べた身の回りの製品には前記3か国のものが多かったことから出た予想だ。

  下野教諭がグラフから国名を隠していた付せんを外すと、輸出国は児童の予想通りだったが、輸入国3位にサウジアラビアが出ると、教室はどよめいた。

電子黒板
デジタル教科書の写真を拡大して注目させる

  そこで下野教諭は、今日の課題「日本とつながりが深い国はどこだろう」に則り、日本と上位3か国の貿易のつながりについて児童に考えさせた。

  次に電子黒板に拡大提示されたものは、デジタル教科書に掲載されているアメリカ、韓国、中国、サウジアラビア4か国の学校の写真だ。「では日本の教室の様子は?」と、この日の朝、デジタルカメラで撮影したばかりの自分たちの教室の写真を拡大提示すると、教室がわいた。午後の授業にはちょっとしたサプライズが教室を活気づける。

  日本との相違点や類似点について写真を読み取り、気づいたことを発表していく。電子黒板の前で書き込みながら発表できることが楽しいようで、児童の挙手も多い。

電子黒板
電子黒板
教科書掲載のグラフや写真を印刷して掲示し
たり(写真上)ワークシートに活用できる(
写真下)

  下野教諭が韓国の写真から黒板を拡大すると、日本の地図と「百斉」という文字がチョークで板書されていることがわかる。さらにアメリカの教室には、アメリカの子どもたちが作成した日本のひな祭りについての掲示物もある。日本と各国には文化や歴史など様々なつながりがあることを感覚的に理解できる瞬間だ。教科書に掲載されているサイズだと見えない部分も拡大して見ることができるのが、デジタル教科書のメリットだ。

  その後、下野教諭は、デジタル教科書から4か国の写真を抜き出して作成したワークシートを配布した。児童はそこに、気づいたことを記入していった。

  黒板には、授業で読み取りの課題としたグラフや各国の学校の様子の写真などを印刷したものを掲示、そこに授業の流れで出た児童の発見や意見を簡潔に板書していき、授業の記録としてまとめている。授業の最後には板書を振り返りながら、これから学びたいことをノートに記入させ、次回の授業の布石として授業を終了した。

資料を読み取る力がつける

「拡大」で発見する喜びが意欲向上に

  下野教諭は「デジタル教科書の導入によって、授業を構成するための引き出しが増えた」と話す。「例えば、写真を細かいところまで拡大して見せ、興味を引き付けることができます。この機能は特に歴史の資料の読み取りで活躍しました。また、『My教科書エディタ』を使えば、教科書で掲載されているものと同じ絵や写真、図版でワークシートを作成することができますし、動画資料も充実しており、児童の理解を助けます」。

校長
松本敏和校長

  松本校長はデジタル教科書について、「社会科の学習内容には、言葉だけだと理解が難しい内容があり、そこを映像が橋渡しすることで、言葉や概念の理解が進みやすくなる。また、デジタル教科書に収録されている映像は、学習資料という記録映像とは異なった視点で作成されており、具体的。映像で把握することで、より多くの子どもたちの言語認識力の育成につながっていくと期待している」と話す。

教材自作しやすい仕組みを整える

  姫路市立総合教育センター・教育支援課ではデジタル教科書の効果について検証を進めており、調査研究の後、10月から実際に学校での活用をスタートした。

  井上幸史指導主事は導入2か月後に使用感についてアンケート調査を行っており、現在集約中だが、子どもが集中する、コンテンツが充実しているなどの肯定的な意見が多いと話す。

  また、姫路市においてデジタルテレビと書画カメラの活用は既に進んでいるものの、自作教材を共有できる仕組み(コンテンツサーバー)の活用はこれからであると言う。

  「デジタル教材の作成を積極的に進めることの仕組みの1つとして、『My教科書エディタ』などデジタル教科書を編集して教材を作ることができる機能を提供することで、これまでICT活用に馴染みのない教員にとっても自作教材を作成しやすくなる可能性がある。今後も、学校現場の教員が授業準備しやすい環境や仕組みを提供していきたい」と話した。

【小学校理科】全校ぐるみの研究から魅力的な授業づくりへ―さいたま市立向小学校

電子黒板

前時の確認では元気良く手が挙がる

 平成21年度の「電子黒板を活用した教育に関する調査研究」(文部科学省)では、全国に先駆け、全普通教室に電子黒板などのICT環境を整備し、デジタル教科書・教材を活用できる環境が構築された。その1つが、さいたま市立向(むかい)小学校(富永恒一校長・埼玉県)だ。整備から2年を経、全普通教室整備の環境は授業にどのように活用されているのか。

 さいたま市ではデジタル教科書・教材を各教科に整備中で、向小学校では理科や社会で「デジタル掛図」(東京書籍)を活用している。3年生の理科の授業を取材した。授業者は細井博幸教諭。

  この日の授業は、塩と砂糖の体積を同じにしたときの重さを比較する実験だ。

  実験に入る前に押さえておきたい注意事項について、細井教諭は様々な方法で確認した。

電子黒板
実験のポイントを付せんで隠して確認していく
グループの実験結果をグラフ上にまとめた
表
「デジタル掛図」のツール「マルチホワイト
ボード」上に自作教材を作成。 必要なときに
すぐに提示できる

  まず、「デジタル掛図」から塩と砂糖の写真を電子黒板に提示し、どちらが塩でどちらが砂糖かを児童に質問した。これは、塩の粒のほうが小さく固まりやすいなど前時の学習内容を振り返り、実験において「体積」をそろえることに配慮する重要性を理解するためだ。

  次に、「体積」の意味を再確認するために、2年生の算数で学んだ単元「水のかさをはかろう」を提示し、「体積」のイメージを明確にした。さらに実験の中で注意すべき事項をいくつか文章としてピックアップし、キーワードを「デジタル掛図」の機能である「付せん」で隠して質問、児童に答えさせた。

  児童に提示したこれらの教材は、細井教諭が事前に、デジタル掛図「マルチホワイトボード」上に作成したもの。これは「デジタル掛図」の図や写真、追加のテキストなどを使った教材を作成、提示できるものだ。細井教諭はマルチホワイトボード機能について、「画面16枚分もあるホワイトボード上に、児童の理解に必要だと想定される教材を作成しておき、必要だと思ったときに片手で操作してさっと見せることができるので、児童の想定外の反応にも対応しやすい。思いついた教材からどんどん作成できる点も使いやすい」と話す。

実験途中も動画で確認

  グループごとの実験では、細井教諭が実験方法についてまず全体に説明した。実験の開始後は「デジタル掛図」から、実験方法の動画を電子黒板で視聴できるようにしておき、やり方が分からなくなった児童はいつでも前に来て、動画を確認してから実験を進めることができるようにした。やり方を事前に様々な方法で確認していること、それでも不安な場合はいつでも動画を見て確認できることから、実験途中において、実験方法についての質問は一件も出なかった。

  計測結果も、マルチホワイトボード上で作成したグラフ上に書き込んだ。5グループが砂糖と塩の重さを記入すると、2つの体積を慎重に同じにしたにも関わらず、計測結果にバラつきがあることがわかる。塩と砂糖では重さが異なること、さらに体積を同じにそろえても、そのそろえ方によって重さにばらつきが出ること、何度か測定し平均値を取ることの必要性などに発展していく実験結果となった。

魅力的な授業が子どもを育てる

校長

富永恒一校長

  電子黒板やデジタル教材の導入は、授業や学校にどのような影響を与えたのか。

  導入後2年の変化について、富永恒一校長は「デジタル教材や電子黒板を使えば即そうなるというわけではないが、児童は年々落ち着きを増している」と話す。

  「デジタル教材や電子黒板の導入は、魅力的な授業作りを改めて考える大きなきっかけになった。教材研究の一環として学年ぐるみの話し合いが日常化することで、デジタルのメリットを活かした授業作りが年々、安定して展開されるようになり、結果魅力的な授業が増えていったからでは。今では重要な教材ツールのひとつとして定着しており、保護者も歓迎している」と言う。

  授業研究の成功の秘訣については、「まずは学年連携しやすい環境が重要では。本校では、全教室整備でいつでも使える環境にあったことが、学年ぐるみ、学校ぐるみの研究の活性化をサポートした。教室に教育用PCを持ち運んで電子黒板などを接続しなくてもすむ環境は、学年連携や学校連携を図りやすく、教育効果を上げることができた」と、全教室整備の重要性を指摘した。

 

 

【2012年3月5日号】


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