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情報モラル
情報社会のパスポート
ルール・マナー・モラル育成は家族とともに
 家庭でのPC利用が日常化するなかで、子どもだけでなく保護者もまた指導を受けた経験がない「情報モラル教育」。そのため、いかに保護者を巻き込み指導に取り組むか、が情報モラル教育の大切なポイントの一つになっている。そうしたなか東京都は昨年12月、小学生の保護者らを対象に「インターネット、ゲームに関する家庭のルール作り」を支援する冊子「ファミリeルール」を作成、公開した。

お子様(第1子)がインターネットを利用する際、あなた(親)はどのようにしていますか。(単一回答)
全体
N
すべと子供に任せている。

251

23.2
概ね子供にまかせている。

440

40.6
子供が操作をするときは同じ部屋にいるが、特に監視などはしない。
298
27.5
子供が操作をするときは、必ず誰かが一緒に画面を見ているなど、親の管理の元で行なっている。
69
6.4
親が操作をして子供と一緒にする。
21
1.9
その他
4
0.4
無回答
0
0.0
全  体
1083
100.0
出典:財団法人マルチメディア振興センター
「インターネット利用実態とリテラシー向上対策の調査研究報告書」
 email  

家庭向け冊子を配布

 家庭でのインターネットやゲーム利用時のルールをつくる教材として作成された「ファミリeルール」。同冊子の特徴は、1)子どもが宣言したルールを守れなかった際のルールも併せて定める、2)参加者同士で情報を共有できるようグループワーク形式での利用を前提にした、の2点。

 東京都ではまずPTAの役員や地域等の保護者を集め、同冊子を使用したグループワークを行えるファシリテーターを養成。講座を受けたファシリテーターがPTAや保護者を対象にグループワークを展開することで、各家庭でのルール作りの実現や親子間のコミュニケーションの広がりに期待している。同冊子は、Webにて公開中だ。

【発行 心の東京革命推進協議会】
http://www.kokoro-tokyo.jp/


子ども任せ9割

 昨年2月から3月にかけて全国のPTAを対象に財団法人マルチメディア振興センターが行ったWebアンケート(回答=1083名)によると、子どもに見せたくないサイトへのアクセスを防ぐ対策を行っている親は21・6%。そのうちの具体的な対策例としては「フィルタリングソフト(サービス)を使う」(78・7%)が最も多かった。一方で「直接子どもに教えている」(10・2%)、「常に監視している、一緒にインターネットを行う」(9・6%)など子どもへの指導を行う親は約20%に過ぎず、回答者全体の4%にとどまっていた。

 また子どものインターネット利用時にルールを設定している親は59・5%に上るものの、実際に子どもが利用する際には利用を子どもに任せている親が90%を超えており、比較的自由にインターネットを利用する子どもの姿が浮かぶ。

小・中用教材を作成

 日本情報教育開発協議会(JADIE)は昨年12月、第3回JADIEフォーラムを開催。同協議会情報モラル委員会は同年9月にまとめた小中学生向け情報モラル教育用小冊子「インターネット社会を生きるための情報モラル」を参加者に向けて配布した。

 同委員会と情報教育学研究会(IEC)情報倫理教育研究グループが監修を務め、小学生版と中学生版を作成。初等中等教育で体系的な情報モラル教育が実施できるよう、指導内容がコンパクトにまとめられた。

JADIEではWebサイト
http://www.fest.or.jp/jadie/moraru.html
にて無償ダウンロードを実施している。

時代に対応する
無償ダウンロード

広島教科図書販売
ストーリーが生む
身近な学び

東京書籍
すぐに実践できる
ガイド資料付き

スズキ教育ソフト
 ネットを契機とした事件や犯罪が巧妙化するなか、広島教科用図書販売株式会社は学年や発達段階にあわせて継続的な指導を行える情報モラル教育ソフト『事例で学ぶNet モラル(Web版)』を販売している。

 普通教室での提示教材やPC教室での個別・グループ学習にも活用できる同ソフト。2006年度版では校内研修教材やWeb診断テスト、保護者向けプレゼンテーション教材等も新たに加わった。
 コンテンツは小学校低学年から中学校までの発達段階ごとに用意。疑似体験も交えながらWinnyやblogなど24の事例を3つの分野(情報安全・責任ある情報発信・健全な情報社会の形成)から学習する。

問題提起の導入映像や話し合いを助けるキーシーン掛図、全ての事例に対応したワークシート。また、まとめの映像クリップや教師のための授業展開マニュアル、評価の観点・関連教材・豆知識等を収めた参考資料など、教材群も充実。
 そのほか掲示板・メール・チャット・ウイルスの疑似体験や、PCや携帯電話の利用時に直面するハプニングへの対処法を応えるドリル教材(12教材)など学習の深化に役立てるツールも実装された。毎年5年間の無償バージョンアップも好評実施中。

 企画・監修 堀田龍也氏(NIME助教授) 価格 オープン

 情報モラル指導に適した「やさしいネチケットVer.2」(東京書籍株式会社)は、2006年度の教育映像祭最優秀作品賞受賞ソフトウェア。

ストーリー仕立てのアニメやナレーションの平易な解説や「架空請求」「チェーンメール」の見本、個人情報や著作権などの提示資料も豊富に収録。

約70テーマを「インターネット入門」「電子メール」「電子掲示板」「ホームページ」「チャット」「検索エンジン」「携帯電話」「ネットショッピング」の8つに分類して学習する。

 提示資料は、掛図のような1画面構成。定着を図るためのワークシート(Word/一太郎/PDF)やクイズ・確認テストなどコンテンツも充実している。トップ画面やまとめ画面のほか、ワークシートやクイズ・確認テストなどでは,小中学で別々のものを用意。情報モラルの習熟状況の確認に活用できる。

 このほか約250語のコンピュータ用語をイラスト付きで解説する用語集も搭載した。

 基本パッケージ(税込) 8190円
 追加ライセンス(税込) 3675円





 スズキ教育ソフト株式会社が平成18年5月に発売した「あんしん・あんぜん 情報モラル」は、情報モラルの指導経験のない先生方でも授業を実践できる、学校と家庭で学ぶ情報モラル教材だ。

 導入、解説、まとめなどの授業展開に合わせてアニメーションを効果的に採用。校種・学年を考慮した教材構成で、子どもたちの発達段階に応じた情報モラルを指導できる。

個人情報保護対策や携帯電話のモラルなど、社会環境や教育現場の身近なニーズにも対応した。また経験の少ない先生は「情報モラル指導のための先生用ガイドブック〜家庭向け配布資料つき〜」を使えば指導のポイントが把握できるため、情報モラルの指導をすぐに始められる。

 情報社会の影の部分だけでなくメディアの利用方法や利便性も指導可能。疑似体験ツールも実装し、家庭向け配布資料も用意。ポスター「明るく、安全なネット社会の十七条」付き。

著作・制作代表 永野和男氏(聖心女子大学教授)
価格(税込) シングルライセンス 9975円/学校ライセンス 9万9750円

 

【関連サイト】
広島教科用図書販売

【関連サイト】
東京書籍
【関連サイト】
スズキ教育ソフト
 

 

わかり易くて学び易い
ワークブック

日本文教出版
ネットスキル
「知らない」を知る

ネクストエデュケーションシンク
 
 
 日本文教出版株式会社が平成18年3月に発刊した「IT-Literacy 新訂版・情報モラル編」は、「同 新版・情報モラル編」(平成16年発行)に「ブログを使ったコミュニケーション」「情報漏えいを防ぐ」「なりすまし・フィッシング」などの新たな課題を加えたワークブック(フルカラー)だ。

学習項目の課題を常に意識できるよう各項目に演習課題を掲載。また巻末に索引を置いたうえ、本文中の重要語句はゴシック体・赤字で表記した。生徒が自習時に市販の赤いシートを利用して重要語句を隠した学習を可能にするなど、同社の細かな気配りが反映されたつくりになっている。

編著 辰己丈夫(東京農工大学助教授)/B5判 48ページ/定価 (税込)263円

 <目次>
1.情報を理解する
2.情報リテラシー入門
3.情報社会で自分を守る
4.情報社会で自分と他者を守る
5.情報社会における著作権
6.ネットワーク社会と人間
7.メディアと私たち

 株式会社ネクストエデュケーションシンクは教育関係者の情報モラルをブラウザ上でオンライン・チェックできる「NETスキルチェック?『教育者のための情報モラル』」を提供している。

  45分で回答するこのサービス。「授業における著作物」や「インターネット上の情報の取り扱い方」、「児童生徒のプライバシー保護」、「出会い系サイトの危険性」、「携帯電話の適切な使い方」などから50問を出題。結果は10項目のレーダーチャートで表示されるため、視覚的に得意・不得意分野が把握できる。

  項目は、「情報モラル全般」「著作権一般」「学校現場と著作権」「特許権その他産業財産権」「プライバシー」「コンピュータセキュリティ」「情報リテラシー」「マナー&ルール」「表現と情報モラル」「情報モラル度」の10分野。

  著・監修 社団法人コンピュータソフトウェア著作権協会
  価格(税込) 3990円(問題の解答解説付)
 
【関連サイト】
日本文教出版
 

 


【2007年1月1日号】


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