文部省概算要求・平成16年度
高校生対象にIT訓練
毎週6時間1年間
文部科学省は16年度予算の概算要求で、3つの新規事業を立ち上げている。1つは、「ネットワークコンテンツ配信活用推進事業」で27地域を指定。1校あたり25万円のコンテンツ購入費を使い、各企業のコンテンツをネットワーク経由で利用研究する。また、「学校・家庭間イントラネット活用推進事業」で、グループウェアの購入費、家庭用のPC購入費も盛りこみ、イントラネット技術による学校・家庭の連携や教材データベースの構築を目指す。さらに、「IT人材育成プロジェクト」で、ITを高度に活用できる人材を育成するため、専門高校を10校指定し年間通し毎週6時間の実践的指導を行うほか、全国から高校生60名を選抜し、特別講習を実施する。
文部科学省の平成16年度予算の概算要求では、初等中等教育関連で教育の情報化に関して3つの切れのいい事業が盛り込まれている。
1つは、
「ネットワーク配信コンテンツ活用推進事業」(5億5583万7000円)を新規に。民間事業者の質の高い教育用デジタルコンテンツを使い、授業や学習における効果的な活用方法を実践研究する。
全国27地域を指定、3年間。
1地域の予算は約1800万円で、1地域約30校程度の参加を見込む。三鷹市の中央ネットワークセンターのようなコンテンツ配信センターに企業がコンテンツを登録し、各地域ネットワークセンターに所属する学校がアクセスして使うシステムを想定。1校あたり25万円のコンテンツ購入費、各地域センターのネットワーク整備費・コンテンツ利用履歴収集サーバ、ユーザ認証システム構築費なども積算。
2つは、
「学校・家庭間イントラネット活用推進事業」(1億1918万9000円)も新規に。全国10校を指定、3年間。
指定校で学校と家庭を結ぶイントラネットを構築し、学校から家庭への積極的な情報発信や保護者との連携など効果的な活用方法について研究する。具体的には、Webカメラなどでリアルタイムで授業や特別活動を配信、またWeb上で学級情報の配信をするほか、Web教材の作成・データベース化、電子メール・掲示板を活用した学習成果の発表、生徒間、学校・保護者間の連絡・情報交換なども実施する。
1校あたり1100万円を積算。グループウェア購入費(約100万円)、サポート費(約200万円)、家庭にコンピュータがない児童・生徒のために1校あたり10台程度のコンピュータ購入費、インターネットに接続するための回線補助費、などを積算。
3つは、
「IT人材育成プロジェクト」(1億6066万7000円)を新規に行う。実社会でITを高度に活用できる人材が不足している、という要請に応えたもので、1指定校における実務的な教育、2学校外での特別講習、を実施する。
前者は、ITに関する専門教育を実施している情報科や工業科などの専門高校10校程度を指定。IT関連企業や大学の協力を得て、ネットワーク構築やセキュリティ確保などのスキルを持つ人材を育成するため、実務的なカリキュラムに基づく指導を行う。
1校あたり講師代や教材費として約1300万円を積算。毎週6時間×35週の講習を想定している。指定期間は3年。
後者は、統一的な試験でITに関する基礎的な知識を習得している生徒を選抜し、IT関連の主要企業で活躍する技術者や専門家等による実務的な講習を、2週間程度行う。指定校から30名、一般高校生から30名計60名を選抜し全国2か所(30名×2か所)で、2週間程度実施する。予算は約2600万円、講習は任意の団体に委託する。
【2003年10月4日号】