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情報モラル・セキュリティコース
情報モラル・セキュリティコースに参加した教委は、関東地区では銚子市・日野市・立川市・柏市・東久留米市の5教委、中京地区では甲府市・津市・静岡県森町の3教委、関西地区では岡山市・門真市・守口市・枚方市・池田市・奈良県・八幡市の7教委と、昨今のネット関連事件の多発と注目度を反映し、最も参加希望が多いコースとなった。 当コースでは、情報漏えい事件や学校における個人情報保護法の対応、情報モラル教育に関する情報提供、メールに関する情報漏えいの実際と対処法、個人情報保護法についての留意点を学び、子どもたちが普段遊んでいるチャット・掲示板サイトの体験や参考となる情報モラルWebサイトを閲覧した。講師を勤めたのは、ジェイエムシー、エプソン販売、クリアスイフト、教育家庭新聞社など。 情報漏えい事故は、「防止する」「拡大させない」「復旧させる」の3つが必要だ。ジェイエムシーの斉藤氏は「学校でもっとも多いウィルス感染経路は、自宅でダウンロードしたファイルが、感染していると気づかないまま、学校に入れたところ、学校中のPCに感染した、という事例」である、と述べる。また、パスワード管理の重要性を説明、実際にワードやエクセルなどの文書に「パスワード」をかける方法を実体験した。 昨今、ノートPCの盗難による個人情報の流出事件が後を絶たないが、それについての防御策として「バイオス設定」の方法も説明。「ただし、バイオス設定によるパスワードは、一度パスワードを忘れると、そのノートPCは修理品としてメーカーに依頼しなけらばならない。その処理に1ケ月以上かかることもある」と述べた。 クリアスイフトの宮本氏は、インターネット犯罪の傾向、電子メールが教育現場にもたらすリスクと有効な対策方法としてのフィルタリングの活用法などを述べた。 エプソン販売は、参加者から情報モラル教育に関する疑問点などを洗い出し、カテゴリ分けすることで、問題点の整理とこれからの課題を明らかにし、現場の管理職の貴重な資料となった。 教育家庭新聞からは、情報モラル教育のための情報提供として、イギリスで実際に使われている生徒へのインターネット利用規定や教師対象の誓約書、実際に疑似体験できる情報モラル教育サイトを紹介、参加者は実際に体験したり体験した感想を情報交換するなどした。 各研修では、研修内容に応じてパイオニアやコクヨの電子情報ボード、エプソンの全版プリンタなどを活用、最新のIT機器を取り入れた研修内容となった。 デジタルコンテンツ活用コースを利用したのは、関東地区・柏市、府中市、中京地区・三重県など3教育委員会。各地区、多彩な研修内容となった。 東京都府中市では、インターネットを活用し、生徒機から複数が同時にサーバに書き込みができるソフトを用いて「お勧め読書紹介」を全員で書き込み、大判のカラープリンタに印刷。さらに教員が何名かプレゼンテーションを行った。講師提供はエプソン販売。 教育委員会のサーバにアップされているコンテンツを活用し、互いに「デジタルコンテンツを活用した授業」を提案するプレゼンテーションを行うなど参加者同士で情報交換を実施したのは、千葉県柏市。発表の中で、同市の横内健一先生(松葉第二小学校)は、天気図から子どもたちが天気を予想させ、実際に気象衛星ひまわりの画像(定点の杜 http://teiten1.uchida.co.jp/mori/)を使って各地の実際の様子を見、予想を確認していく、という授業が提案された。研修日当日は台風11号と12号が近づいている様子がわかり、参加した先生方からも声が上がった。 三重県教委で行われた研修では、中西康之先生(志摩市立明神小学校)が、実践発表「デジタルコンテンツを利用した授業」として、先進的取り組みを発表。デジタル教科書や自身が所属している「デジタルコンテンツで楽しい授業づくり研究会」の教材コンテンツを載せてあるポータルサイト「デジ楽」(http://d-tano.axisz.jp/main/)を用い、デジタルコンテンツ活用方法を紹介した。 また、国立市の研修では実際に仮の掲示板を即席にアップして掲示板を実体験し、その臨場感を味わったり、インターネット検索競走を行った。講師はアルファシステムズの矢後氏。また、教科書に即したデジタルコンテンツや活用事例も紹介された。 同コース協力企業はアルファシステムズ、ESRI、エプソン販売、コクヨ、パイオニアなど。 ITを活用した問題解決学習をテーマとした研修を活用したのは、関東地区・浦安市、国立市、関西地区・枚方市、八幡市、加古川市など5教育委員会。 枚方市で行われた研修では、インターネット上に無料で公開されている地理情報のポータルサイト「Geography Network Japan」(http://www.geographynetwork.ne.jp/)に研修参加者それぞれがアクセスし、学校のある地域の数値地図をダウンロード。その地図にGoogleで検索した地域の様々な画像を貼り付けて、交通事故防止マップや商店街マップを作成。作成したマップをパワーポイントに貼り付けて説明文を加え、研修参加者の代表が電子情報ボードで発表した。講師はESRIジャパンの矢口氏。研修参加者は、自分で作成した地図データを、フロッピーに入れて嬉々として持ち帰った。同市竹林清指導主事は、「学校現場で地図はよく活用します。こうした研修は役に立ちます」と感想を述べた。 キャリア教育に役立つソフトとワークシートを用い、実際にシミュレーション学習を行ったのは、アントルビーンズ。シミュレーションソフトを用いたキャリア教育の実践を、先生たちが実際に体験した。消費者としてのみの視点ではなく、また、働く=時給を稼ぐということではなく、需要と供給を考えながらバランスを取りつつ利益を上げていくのが現在のビジネス社会であり、店員の接客態度、曜日、立地条件、サービス内容など、様々な要素で売り上げが変わっていく、という仕組みをシミュレーション体験し、好評を博した。各地区とも、多彩な研修内容となった。 同コース協力企業はアルファシステムズ、ESRIジャパン、コクヨ、パイオニアなど。 | ||
参加地区 | ||
中京地区 [甲府・津・三重県・森町] | 関東地区 [銚子・日野・立川・柏・府中・浦安・東久留米・国立] | 関西地区 [岡山・門真・守口・枚方・池田・奈良・八幡・加古川] |
■中京地区 ■関東地区 関東地区では、東京都日野市・立川市・府中市・東久留米市・国立市、千葉県柏市・銚子市・浦安市の8教委が研修プロジェクトを活用した。 ■関西地区 関西地区では、大阪府門真市・守口市・枚方市・池田市、奈良県、京都府八幡市、兵庫県加古川市、岡山県岡山市の計8教委が研修支援プロジェクトを活用した。 体験活動、情報教育などに熱心に取り組んでいる兵庫県加古川市では、当プロジェクトで、問題解決学習コースを活用。次代を見据えた文部科学省の「地上デジタルテレビ放送の教育活用促進に関わる事業」で、市内の志方東小学校がモデル校に指定されており、プラズマディスプレイが約4教室に導入され、地上デジタルテレビ放送の教育利用について研究を開始している。「今後、テレビ放送が地上デジタルテレビ放送に変わってくる。インターネットの画面も映り、質問もでき双方向になる。これからは、こういった電子情報ボードが欲しいですね」と後藤強指導主事。 奈良県では、7月14日、奈良県の高校2年生が、掲示板サイトで友人を「誹謗中傷」し、「逮捕」された、という事件が起こっている。この件について、県教委では各校及び市区町村の教育委員会に通達を出したが、当日研修に集まった先生方でこの事件を知っており、かつ周知と指導にあたった学校はほんのひと握りであった。これらの事例を「情報モラル教育」の生きた素材としての活用が講師から提案された。 大阪府に隣接する京都府八幡市は、文部科学省の「情報モラル等指導サポート事業」の実践研究協力校に小中学校2校が指定され、指定校を中心に市内の学校が毎月集まり、情報モラルの指導方法について研究を進めている。学年ごとに、モラル・マナー、セキュリティ、著作権などのルールを盛り込んだマトリックス表を試作。情報教育全般に熱心に取り組み、文部科学省主催の第5回インターネット活用教育実践コンクールでも受賞している。教員研修支援プロジェクトには、「情報モラル」と「問題解決」に同じ日の午前・午後に2コマ応募。午前の情報モラルは各校の情報教育担当者、午後は教務主任が参加した。 |
参加者の声 | |
■活用の意欲わく システム導入も必要
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