6月中旬、社団法人全国外国語教育振興協会が主催する「英語学習に関する講演会&語学学校経営者セミナー」が開催された。茂木賢三郎氏(キッコーマン株式会社副会長)による講演「英語と私」や「個人情報保護法施行に伴う取り組み」が紹介された。
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茂木氏は「熱心なアシスタント・ラーニング・ティーチャー(ALT)の力で、地方の子ども達もネイティブに近い英語を話すようになった」と、地方でも効果的な英語教育が行なわれていると述べる。
「英語教育は中学校からでも遅くはない。英会話は大切だが、傾倒し過ぎて文法や他の科目をおろそかにしてはならない」と、自身の体験をもとに、基礎的な文法学習の大切さにも触れた。
また株式会社イーオン・イースト・ジャパン(以下AEON)で個人情報管理室を担当している浜井篤氏は、「個人情報保護法施行に伴う取り組み」について講演した。氏は「情報のデータ化は不可避。実務の問題として、もはや情報を紙で管理する時代ではなくなった。情報漏えいは、情報が漏れただけでも、賠償金を支払うことになる上、イメージも良くない。実害が出た場合の損失は計り知れない」と、情報漏えいのもつ社会的影響力について注意を促した。
三宅義和代表取締役(AEON)は、「顧客の個人情報はあくまでお預かりしているものに過ぎず、自分達のものではない」と述べ、意識の転換が必要と説いた。同社では、プライバシーマーク取得に向けて部署ごとに情報管理・意識の徹底が行なわれ、効果をあげているという。「社長が記者会見等でカメラの前に立たされることを考えると、社員の意識も変わった」とは浜井氏の言葉だが、実際に矢面に立つことになるのは組織のトップ。学校関係での事件・事故も少なくなく、教職員にとっても他人事ではない。早急な取り組みが求められている。
※社団法人全国外国語教育振興協会 日本の外国語教育の発展や生涯学習の振興への貢献、安心して学べる環境整備などを目的に、平成3年に設立。年に2回、オーラルコミュニケーション検定「Standard Interview Test of English(SITE)」を実施。今年度の試験日程は、第15回・10月9日(申込期間=8月1日〜10月1日)、第16回・3月5日(申込期間=1月4日〜2月25日)。
【2005年7月9日号】