ホームページ作成委員会の先生方が毎日、ホームページを更新しているという千葉県印西市立大森小学校のホームページは、小学校6年間で習得すべき38種の計算をまとめた「大森ドリル」や、各学年の学習指導案、体育の教材などがアップされ、すばらしい作りになっている。
「研究発表会をすると、『大森ドリル』を欲しい、という声が多く寄せられて。それなら、誰もが見られるように、ホームページに上げて共有財産にしようと考えたわけです。自分の学校だけでなく、市全体でみんなでいいものを作って広めていきたいですね」と6年担任でコンピュータ担当の松本博幸先生。
同市は2年前に市内14校の小学校のコンピュータを一斉に更新。大森小学校では更新時に市内各校に一斉導入された「スカイメニュープロ」を使って、効果的に学習指導をしている。
6年生の日光修学旅行(10月はじめ)の事前学習。「ガイドブックにも載っていないことを発見できるといいな」というねらいで、児童一人一人が彫刻の種類、神厩舎、眠り猫、回廊、などと分担を決め、調べたことをホームページビルダーを使ってホームページにまとめていく。取材した日のテーマは、昨日作ったページに、3ページ分のリンクを貼ること。
まず、松本先生がスカイメニュープロを使って、リンクを貼る操作方法を各児童のディスプレイに一斉に映し出し説明。その後、学習の進行に合わせて特定の児童の画面を黒板前の大きなスクリーンに映し出す。そして、机間巡視しながら電子ポインタでスクリーン上の画面の1点を指して、「ここをクリックして」などと説明。この後がユニークなやり方で、自分の画面がスクリーンに映し出されている児童は、先生の言葉通り操作を行い、それを見ながら他の児童もリンクを貼る作業を進めていく。”人間電子ボード”といった感じだ。
子どもたちは、最初のページに「次へ」などとリンクボタンを作り、プレビュー画面で実際にリンクがかかっているか確認した後、上書き保存しながら作業を進めていった。
こうして作った自作のガイドブックを持って修学旅行に出かけ、さらに事後学習を重ねて完成させ、コンピュータ教室のサーバに保存。次年度の6年生の学習にも役立てる。
「スカイメニュープロは、操作もやさしくて他の先生も使えます。教卓の上には、簡単な操作図も貼ってありますので。また、コンピュータのハードディスクの一番いい状態のバックアップを取っておき、コンピュータが故障した場合などに各端末のデータごとにもとの環境に復元できる機能があるのもいいスカイメニュープロのいい所ですね」
大森小学校では、1〜6年までの情報教育年間指導計画を作り、教科の中で「ここで使おう」といったコンセンサスもできている。また、卒業時には児童の作品を収めたCDを全クラスが作成し、子どもたちに記念に手渡す決まり。
大森小学校の先生方は、2年前まではワープロが大半で、コンピュータもほとんど使っていなかったという。コンピュータが更新されたのを機に、自前で職員室にLANを引き、自前でサーバを構築。ファイル共有やネットワークプリンタの使用によりLANの便利さを先生方が徐々に体感し、コンピュータ教室のLANにも慣れていったという。
【2003年10月4日号】