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INTERVIEW
授業前の準備を簡略化
日立ソフトウェアエンジニアリング(株)
GL主任技師 中駄 康博氏

 教育の情報化が進む中パソコンの画面やプロジェクタの映像を、大画面で提示して、画面に書きこめるデジタルボードの活用が注目されている。

 「理科の授業で、CCDカメラで撮った月の模型を、デジタルボードに映し出して月の満ち欠けを教えた学校もありました」と活用事例を紹介するのは日立ソフトウェアエンジニアリング(株)マルチメディアシステム部の中駄康博氏。この時には、満ち欠けの予想を児童が電子ペンを持ってボードに書きこんでいったという。

 同社では、プラズマタイプやタブレットタイプのものまで、幅広いラインナップでデジタルボードを展開している。中でも教室間の移動が簡単なフロントプロジェクトションタイプは、画面の大きな75インチの「F−75」と、狭いスペースでも利用できる60インチの「F−60」の2機種が用意され、教育現場での導入が進んでいる。

 手軽に使えるというのが同社のデジタルボードのポイント。「メーカーに求められるのは、授業で使う前の準備をいかに簡略化していけるかだと思います。使う前のセッティングが大変だと、授業で使う気も失せてしまいます。セットアップしているうちに、休み時間が終わってしまうようでは、授業で使われなくなってしまいます」。
 さらに、パソコンと無線による接続も可能となっている。パソコンとデジタルボードが離れていても容易にセッティングが行え、これにより、子どもが足をひっかける心配もなくなる。デジタルボードを使うことで、楽しく分かりやすい授業にというのが同社のねらい。画面を1本のペンで操作できる「マウス機能」、カラフルな色が選べる「マーカー機能」、星やハートのマークを押せる「スタンプ機能」など、遊びごころを取り込みながら、ソフト面も充実させている。

 「今後は、普通教室の環境の整備がカギになっていくのでは」と中駄氏は将来を展望する。「イギリスでは、プロジェクトセットでデジタルボードが教育現場において必需品となっています。日本でも、普通教室の情報化が進めば、さらに活用されるのではないでしょうか」


【2003年8月2日号】