創造的なエンジニア育成目指す
インターネットを軸にサービスを展開するサイバーエージェント。1998年社員数名で開始したベンチャー企業がわずか8年で社員数1300人、年間売上高600億円を見込むまでの新進企業に成長した。「Amebaブログ(アメブロ)」を運営するなど、インターネット総合サービス企業として幅広く事業を展開する同社では、どのような人材を必要とし、どのように新しい人材を育成しているのか。
「サイバーエージェントは、『21世紀を代表する会社を創る』というビジョンを持つ会社です。それに共感し、自分達が会社を成長させることにわくわくできる人、楽しめる人、誇りを持てる人ということを重視して採用しています。そして、失敗を恐れず行動できる人。これまでどれだけ多くの失敗をし、それにどう立ち向かってきたか、も大切な要素です。文系理系は関係ありません」。
2007年卒の新卒採用セミナーには約5000人もの参加があった。現在社員は600人超。今年春の新卒採用は、なんと100人。社員の約16%が新入社員という内訳だ。「Amebaブログ(アメブロ)」を中心にインターネットメディア事業を拡大していく、という方針のもと、エンジニア部門に力を入れていくという転換期でもある。
「指示通りに正しいプログラムを効率良く仕上げるだけではなく、新しいサービスを考え、実際に実行できるエンジニアの育成を目指しています。そのためにエンジニアを組織化して新規開発局を設置、メンバー間のコミュニケーションを円滑に図り、かつ組織としての発言権を強くしました」。個人の能力がピックアップされがちなエンジニアだが、これからは創造的かつチームプレーが出来るエンジニアが求められている。
新卒に対しては、1か月間の研修を行い、文系理系関係なく「徹底的に考える力を鍛える」ことを主眼にしたプログラムを実施する。研修の一環となる一泊二日の合宿の課題は「旅行代理店として36時間以内に旅行案件を受注する」というもの。アポイントから営業、商談の進め方から受注までのロールプレイングを行い、実際の営業の流れを経験する。また、配属後は部署ごとに育成を行い、営業部門では「ブログについて最新トレンドを語れる」など3ヶ月以内にクリアしなくてはならないネット知識ほかのチェックリスト300項目を設け、確認する。これらプログラムの導入により、新人の戦力化はそれまで9か月かかっていたものが、6か月までに短縮された。
「若い時期に成長産業に身を置き、ダイナミズムのある会社で働くことは、自らの成長にも大きく関わってくる」と言う曽山氏自身、百貨店勤務を経た転職組。「今のほうが100万倍楽しい」とも述べる。
(取材 西田理乃)
【プロフィール】
99年同社に転職
営業部門統括を経て
昨年より現職。
【2006年7月8日号】