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フィンランドでは教員が「暗闇の中を照らすロウソクのともし火」とも言われるほど、教員の評価は高い。わが国でも教員資質の向上をはかるため、民主党政権により教員養成6年制が提案されているが、教育家庭新聞社では、毎年夏に行っている視察とは別に早稲田大学大学院教職研究科の田中博之教授、フィンランド在住の国語教員メルヴィ・ヴァレ氏をコーディネータをお願いし、3月14日から21日までの8日間大学等の教員13名の参加を得てフィンランドの教員養成の実際を視察した。
視察先は、ヘルシンキ大学教育学部、教育省、ヘルシンキ大学附属ビーキ小中高等学校、ヘルシンキ市立パロヘイナン小学校、ヘルシンキノーマリセオ中学高等学校、ユバスキュラ大学教育学部、ユバスキュラリセオン高等学校、ユバスキュラ大学附属小中高等学校。
大学附属校や教育実習協定校の小中高等学校で大学1年生や3年生、修士課程の学生が教育実習で生徒たちに教えているところやペアの学生が観察している状況を視察。また実習後担当教員から改善点などについてレクチャーを受けている様子などを視察した。
教員養成のある担当官は、望ましい先生像として「自分で考え、研究し、評価できる先生。他の先生方と一緒に教えられる先生。分析能力のある先生」をあげた。
2003PISA調査で学力世界一になったフィンランドは、保育園から高校まで、一貫した目線で教育が行われているようである。保育園から、子どもたちが自主的に自分のペースで行動し自分の考えで選ぶことを「待つ」教育が重視され、小中高等学校では、児童・生徒の恒久的な「成長」のために良い、と思われる様々な科目が用意される。
世界的な暖冬でフィンランド(人口526万人)も1月だというのに市街には雪もない。1月2日から7日まで、小中高校の教員ら13名が参加しフィンランドの小中高校3校、デンマークの小中学校1校を視察した(企画・教育家庭新聞社、実施・ベストワールド)。 何故フィンランドはPISA2003(OECD学習到達度調査)で総合1位になったのか。教育制度、授業後の補習・宿題、評価、IT活用、学校生活の状況などについて矢継ぎ早に質問を繰り返した。ヘルシンキ市の専門書店でフィンランドの教科書をどっさり購入した教員も。6日間の視察だったが、教員への信頼、遅進児への徹底した補習、法整備等々視察団に深い感銘を残した。 (柳良作)
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