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日本人初優勝
『イマジンカップ05世界大会』
優勝した加藤君
優勝した加藤君
 学生向け技術コンテンストImagine Cup World Festival(主催 マイクロソフト)が、8月1日、横浜市で開催された。各国・地域予選を勝ち抜いた世界44カ国200名を越える学生が参加するなか、7月27日から同市で行われていたImagine Cup 2005世界大会の入賞チームを表彰した。会場ではこのほか、毛利衛氏(宇宙飛行士・日本科学未来館館長)や「ビデオゲーム業界の父」として広く知られているノーラン・ブッシュネル氏らの講演もあわせて行われた。

 ビジュアル・ゲーミング高校部門で、日本代表の加藤新英君(灘高校=兵庫県)が日本人としては同カップ初の1位に輝き、熊谷一生君(一関工業高等専門学校=岩手県)も3位に入賞。また、ソフトウェア・デザイン部門で、大阪大学大学院のGEONOTEチームが8位、Officeデザイナ部門では、竹井悠人君(海城高校=東京都)がベスト6に残った。

 ゲーミング高校部門の優勝者、加藤君(15才)は、所属するパソコン部の先輩達と参加。「色々な国の人が頑張っている姿を見ることができて良かった。賞金を使ってノートパソコンを買いたい」と、優勝の喜びを語った。両親から初めてパソコンを買ってもらったのは13才のとき。それ以前からも、お父さんのパソコンに親しみ、インターネットやホームページの作成をしていたという。「コンピュータの魅力は、自分で好きなものをつくりだせること」「まだ、はっきりした将来の夢はないが、来年からは理系コースに進みたい」と、照れながらも丁寧に思いを述べた。

 ビジュアル・ゲーミング部門は、与えられたゲームのストーリーに従い、自分のロボットをプログラミング。24時間以内で敵の攻撃をかわしながら得点につながるアイテムを集め、点数を競う仮想ゲームだ。

 3年目の今年は「ソフトウェア・デザイン」「ショートフィルム」「レンダリング」「アルゴリズム」「Officeデザイナ」「ビジュアル・ゲーミング(高校部門有り)」「IT(高校部門有り)」「Web開発(高校部門有り)」「テクノロジ・ビジネスプラン」の計12部門(高校生部門含む)に、世界92ケ国から約1万7000人の学生がオンラインコンテストに参加した。

参加者のみなさん
日本から参加の入賞者
左上2〜5人目:GeoNOTE、右上:Officeデザイナ竹井君
左下:加藤君、右下:熊谷君


参加者
GeoNOTEの
前川君、富安君、中山君、ローズさん(左から)

夢の実現を
  毛利衛さん

毛利衛さんの講演
毛利衛さんの講演
 夢の実現には、子どもの頃からの夢かどうかと言うことが最後に効いてくる。大人になってからの「お金が稼げそうだから」といった理由では、自分を懸けてまで取り組むことはできない。

 宇宙飛行士は訓練でシュミレータ等のコンピュータを使う。なくてはならないものだ。しかし、コンピュータだけの訓練だけでは、人は簡単に死んでしまう。シュミレーションで失敗しても、リセットすればすぐに生き返る。実際にはコンピュータを使いこなせることに加え、夢と現実を知っていることが大切になる。シュミレーションだけでは本物にならない。ジェット機を使った訓練やサバイバルトレーニングなど、間違ったら死ぬような訓練を何度も積み、自分を追い込むことで本物になる。

 社会に出て夢を実現するためには様々な困難が待っている。それらを乗り越えて夢が本物になる。10年後、20年後に夢を本物にするためには、心構えを持続し、思い出せるか。またそれに向けた努力ができるかが重要。

 夢を一人で実現することはできない。多くの方々の賛同を得られるかどうかにも、その実現は懸かっている。

▼ソフト部門優勝 ロシア
みごと25000ドルの賞金を

みごと25000ドルの賞金を
手にしたソフトウェア・デザイン部門
優勝の「OmniMusic」チーム

 最高賞金(2万5000ドル)が用意された、ソフトウェア・デザイン部門を制したのは、ロシアの「OmniMusic」チーム。分散された位置にいるミュージシャン同士が共演できるソフトを開発。OSの中まで改良を加えるなど、技術的課題を克服した。

▼06年デリー開催
 また、同社は来年の開催をインドのデリーで実施することを発表した。テーマは「テクノロジーの活用による、より健康な生活の実現にむけて」。


【2005年8月6日号】


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