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基礎・基本の指導方法
ITは基礎・基本の指導に役立つか!?
小学校で少人数指導が盛ん
教科書にあったドリル感覚のソフトを

  基礎・基本の習得にPCソフトは役立つのか−−本紙の調査でソフトの活用を「検討中」の小学校が41.6%、「導入済み」の小学校が15.7%に上った。では現場では、具体的にどんなソフトを欲しいと思っているのか、聞いた。

 導入を検討しているという群馬県の小学校教諭は、「教科書にピッタリあった、ドリルのように練習問題ができるようなら、ありがたいですね。市販のドリル帳の感覚で使えると…」。加えて1単元だけでなく教科書全体をカバーするようなソフトがあれば、習熟の練習をするときに、教科書の問題、プリントでの学習をしたのち、余裕のある子に使わせてみたいという。

 また、宮城県の小学校教諭も、「ドリル的なソフトで、単元にそったものがあれば非常に助かります。例えば、足し算、引き算、足し算の繰り上がり、引き算の繰り下がりといった形なら、授業の中でも使えます。また、あまり高度な内容のものは本校では必要ありません」という。

 基礎・基本との関連で、望まれるソフトを聞いたためか、「ドリル的なソフト」「ドリル帳のようなソフト」「教科書にあったソフト」というイメージは、ほとんどの学校が共通していた。

 さて、実際に活用している学校ではいかに。福岡県の小学校教諭は、基礎・基本の指導に「ランチボックス」「ランドセル小学生」を活用している。総合的な学習の時間の中でコンピュータの操作になれる時間が20時間あり、教科に関連させて算数のまとめや社会科のまとめで使っているという。

 ただ、ソフトの効果については、「基礎・基本の教材の捉え方とも関連し、明確には言えません」と慎重だ。



 基礎・基本の確実な習得に関する指導を現場ではいかに行い、どんな教材を利用しているのだろうか。

 教育家庭新聞では、算数理解の分岐点といわれる小学校第4学年の学年主任を対象に調査を行った。調査対象は、全国からランダムに学校を抽出し調査用紙を送付。約90校から回答を得た。

 学力低下批判などを受け、基礎・基本の確実な習得に向けて、現場で様々な取り組みがされていることが裏付けられた。

〈基礎・基本の習得に関する指導方法〉
 複数回答で、「一斉指導の中で、個別指導を丁寧に行うように心がけている」(61 カッコ内は回答数。以下同)を除くと、「放課後補充指導を行っている」(49)が最も多く、「少人数指導を行っている」(45)、「習熟の程度に応じたコース別学習を行っている」(30)といった個に応じた指導方法を取る割合が3〜5割に及んだ。また、複数教員による指導「TT(ティームティーチング)をしている」(44)もよく実施されており、「休み時間に・算数教室・などを開催している」(10)といった回答も1割超の学校であった。

〈加配教諭〉
 ○算数科の加配教諭は、57.3%と約6割の学校で配置されていた。内訳は、「1人」(46.1%)が最も多く、次いで「2人」(10.1%)、「3人」(1.1%)と続いた。
 ○国語の加配教諭は、全体の5.6%にしか配置されていなかった。
 ○少人数指導担当の講師がいる学校は、10.1%にすぎない。

■ドリル帳は必須の教材 「PCソフトを検討」4割
〈ドリル帳〉
 市販のドリル帳が、基礎・基本の習得に「役立っている」かどうかを聞いた。93.3%の学校が「はい」と答え、「いいえ」はわずか2%だった。ドリル帳は基礎・基本の習得に欠かせない教材になっている。

〈PCソフト〉
 基礎・基本の習得にコンピュータソフトを活用しているかどうかを尋ねた。「既に導入済み」が15・7%の学校であり、「現在検討中」と答えた学校も41・6%あった。6割近くの学校で、基礎・基本の習得にコンピュータソフトの活用を試みている(つつある)といえる。

〈独自教材〉
 独自教材を「開発済み」(12.4%)、「開発中」(12.4%)の学校は合わせて2割超。「検討中」(31.5%)を含めると、5割超の学校で視野に入れられている。

〈ドリル帳の選定のポイント〉
 算数のドリル帳選定のポイントは、「学年で指導したい内容と合致している」(73 回答数。以下同)が最も多い。次いで、「繰り返し学習形式である」(65)、「文章題が入っている」(32)、「復習テストが充実している」(11)といった点が重視されている。


基礎・基本の指導方法 ドリル帳と基礎・基本の習得算数科の加配教諭基礎・基本の習得へのPCソフトの活用
独自教材の開発


【2004年2月7日号】