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全国の市区教育委員会に聞く
契約の仕様書の作成
学務課の関わり大きく
「本当に学校で使える仕様に」重視最多

 契約の仕様書の作成者は、学務課などの予算担当者の関わりが大きく、仕様書作成の際に重視するポイントは、「本当に学校で使える仕様にする」が最多−−本紙では、人口5万人以上の全国の市区町教育委員会を対象に、  コンピュータの整備計画や、ソフトウェア予算について聞いた。9月6日号に続き紹介する。




 校内LANの構築やコンピュータの更新、新規導入をする場合、どのような種類、スペックのハード、ソフトウェアで構成するか、指名競争入札にかけるための仕様書を春先に作成する。その仕様書の作成主体は誰なのかを聞いた。「情報教育担当指導主事が作成している」という回答は意外に少なく37団体、最も多かったのは「現場の先生などを加えた情報教育推進委員会などの意見を入れて作成している」で64団体、ほぼ同数で「学務課などの担当者が作成している」が61団体で続いた。予算を担当する学務課の関わりが仕様書作成に大きく、「学務課などの担当者と、現場の先生などを加えた情報教育推進委員会などの意見を入れて作成」、「情報教育担当指導主事と学務課などの担当者」という複合型の回答もそれぞれ11団体、16団体あった。(図1)

 また、仕様書の作成について重視するポイントを聞いたところ、最も多かったのは「本当に学校で使える仕様にすること」で144団体、次いで「現場の先生の意見」104団体、「PCのスペック」88団体、「ネットワークの使い勝手」76団体、「コスト削減」73団体と続いた。「わかる授業への貢献」は45団体と少なかった。(図2)

■ソフトウェア予算低下傾向
 1校あたりの年間のソフトウェア購入予算を、既にコンピュータを導入している学校の場合(以下、既設校)と、今年度新規にコンピュータを導入する学校の場合(新規校)と分けて調査した。

 表1は10万円単位で、教育委員会の回答数をまとめたものである。既設校では小中学校とも年間のソフトウェア予算を10万円未満とする教育委員会がそれぞれ、45団体、36団体と最も多く、小学校では20万円未満を合計するとほぼ半数の教育委員会になる。中学校でも30万円未満で半数の教育委員会になる。

 本紙の1999年度調査と比較すると、1校あたりのソフトウェア予算を10万円未満とした教育委員会の割合は、小学校で29.0%から11.2ポイント増え40.2%に。中学校も17.5%から13.5ポイント増え31.0%となり、学校のソフトウェア購入予算が減少傾向にあることが分かる。

 また、新規校も小中学校とも10万円未満が最も多く、500万円、720万円の教育委員会もあるものの、半数近くになっている。
 一方でグループウェアソフトや教科用学習ソフトの導入希望は強い。


契約の仕様書の作成者
    契約の仕様書の作成者(図1)
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仕様書作成の際の重視ポイント
    仕様書作成の際の重視ポイント(図2)
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1校あたりの年間ソフトウェア予算
単位万円
予算額 既設(小) 既設(中) 新規(小) 新規(中)
0〜9 45 36 25 23
10〜19 14 16 4 2
20〜29 11 14 1 5
30〜39 12 13 3 3
40〜49 13 7 2 2
50〜59 2 3 0 1
60〜69 4 2 2 5
70〜79 1 3 0 1
80〜89 0 6 0 1
90〜99 1 3 2 1
100〜109 1 3 2 2
110〜119 1 1 0 1
120〜129   1    
130〜139   3    
150〜159 1 1    
160〜169       1
170〜179       1
190〜199 1   1  
200〜209 1 1 1  
予算額 既設(小) 既設(中) 新規(小) 新規(中)
210〜219 1      
250〜259     1  
280〜289       1
300 1   1 1
330 1      
360 1 1 1 1
540〜549   1    
560〜569     1  
570〜579     1 1
620〜629     1  
720       1
790〜799   1   1
回答自治体数 112 116 49 55
*既設は、既にコンピュータを導入している学校の
1校あたりの年間予算額
*新規は、今年度新たにコンピュータを導入する学校の
1校あたりの年間予算額
(小)は小学校、(中)は中学校
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■全国の市区教育委員会に聞く(本紙調査)−コンピュータの整備状況

学校にあるソフト 課題は予算不足 地域イントラネット未構築は約6割 (2003年9月6日号)
情報化の促進へ 17年度までのPCの年次ごとの整備計画は?(2003年8月2日号)
公立高校の情報教育は今!? 予算・組織・人材各面で課題 (2003年6月7日号)
図表で見る各市区のインターネット接続の状況、形態
インターネットの接続率増加−ガイドライン設置は27市区
OSの割合−小学校でWindows95 46%に
今年度、来年度のコンピュータの新規導入予定(平成10年)


【2003年11月1日号】