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全国の市区教育委員会に聞く
学校にあるソフト 課題は予算不足
地域イントラネット未構築は約6割

 学校にあるソフトは、1.ワープロ・表計算 2.ウイルス対策ソフト 3.プレゼンテーションソフト。今後導入したいソフトでは、1.グループウェアソフト 2.教科用学習ソフト 3.プレゼンテーションソフト、がベスト3。課題は予算不足−。
 本紙では、人口5万人以上の全国のしく教育委員会を対象に、コンピュータの整備計画やソフトウェアの種類別所有状況などを聞いた。前号に引き続き紹介する。



■校内LANの整備は?
 小中学校の校内LANの整備率は、本紙調査で27.3%。「市内の全校に一斉に校内LAN環境を構築する」か「数校をモデル校に指定し研究して」するかといった整備方法についても「まだ未定」が42%と最も多く、今後の進捗に委ねられる部分が大きい表1)。

 また、地域の公共施設、学校、社会教育施設などを高速回線で結ぶ地域イントラネットの構築については「既に構築済み」の自治体は40%。今後の3年間で「構築予定」は10%、「未定」47%図2)で地域公共ネットワーク構築の取り組みも今後の課題だ。

 地域イントラネット構築のメリットとして感じられることを聞いたところ、「学校間の交流学習に利用」が最も多く(回答数130)、次いで「マルチメディアコンテンツなどを教育委員会のサーバ上などにおいて共有利用」(82)、「ネットワーク管理の一元化による運用保守の軽減」(75)と続いた表2)。


校内LANの整備方法         (表1)
市内の全校に一斉に校内LAN環境を構築する
58
数校をモデル校に指定し、モデル校での
研究成果を踏まえて、全校に広げていく
15
まだ未定
86
その他
26
無回答
15
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地域イントラネットの構築 図2
    地域イントラネットの構築(図2)
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地域イントラネット構築のメリット     (表2)
学校間の交流学習に利用
130
自治体の施設などとの交流
50
テレビ会議などの利用
55
マルチメディアコンテンツなどを教育委員会の
サーバ上などにおいて共有利用
82
ネットワーク管理の一元化による運用保守
の軽減
75
その他
11
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■地域イントラネットのメリット
 「交流学習に利用」が最多

 学校外からの不正アクセスの防止方法は、「各校にファイアーウォールを設置」が32%、「教育委員会のゲートウェイサーバにファイアウォールを設置」が36%で、教育委員会のゲートウェイでブロックの方がわずかながら多い図4)。
 また、E−learningについては、「導入を検討している」が15%、「導入の予定なし」が75%図5)。今後の学習、研修の一部は好むと好まざるとを問わずE−learning化していくが、その検討が始まりつつある。

学校外からの不正アクセスについて 図4
    学校外からの不正アクセスについて(図4)
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E-learningの導入 図5
    E-learningの導入(図5)
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ソフトウエア
 「教委で一括購入」 から「学校独自の判断で」+「両者複合型」に


■学校予算枠で?
 ソフトウェアの購入が、年度当初に各教科の教材費や備品の購入費として各学校に示される学校予算の枠内で措置されているのか、その枠外で措置されているのか聞いたところ、「学校予算の枠内で措置」が55%、「枠外で措置」が36%という結果。学校予算の枠内で購入する限り、他の教材費などの予算を削減せざるを得ず、自ずから購入の限度が分かる。図6

 ソフトウェアの購入方法は、「学校独自の判断で購入」が最も多く46%。次いで「選定委員会で選定し、教育委員会で一括購入し学校へ配布」が27%。当社が1999年に実施した調査と比べると、「学校独自の判断で購入」の割合はほぼかわらず、「選定委員会で..」の割合が38%から9ポイント低下。変わって、複合型が増えている図7)。学校の自主性に委ねられている部分が増えている、とストレートにいうことはできない。

ソフトウェアの予算措置 図6
    ソフトウェアの予算措置(図6)
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ソフト購入の方法 図7
    ソフト購入の方法(図7)
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■導入ソフトは?

 学校に導入されているソフトのうち、最も多いのは1.ワープロ.表計算(回答数201) 2.ウイルス対策ソフト(169) 3.プレゼンテーションソフト(161) 4.お絵かきソフト(156) 5.ホームページ作成ソフト(144)。表3
 今後導入したいソフトは時代を反映して、1.「グループウェアソフト」(55) 2.「教科用学習ソフト(ドリル型)(43) 3.「プレゼンテーションソフト」(41)がベスト3。表4〉99年調査に比べ、「ホームページ作成ソフト」は導入が進み割合がかなり低下した一方、「教科用学習ソフト」は相変わらずニーズが高い。教科用ソフトを導入したいが、予算が少なく購入を控える、といった現場の苦悩が聞こえてくる。

現在、学校に導入されているソフト
                   (表3)
ワープロ・表計算ソフト
211
プレゼンテーションソフト
161
お絵かきソフト
156
百科事典ソフト
104
キーボード練習用ソフト
74
ホームページ作成用ソフト
144
画像処理ソフト
102
データベースソフト
70
教科用学習ソフト(ドリル型)
98
教科用学習ソフト(提示型)
84
グループウェアソフト
92
パソコン不正利用防止ソフト
35
ウイルス対策ソフト
169
システム復旧ソフト
105
画像転送ソフト
90
翻訳ソフト
13
フィルタリングソフト
76
資格取得支援ソフト
4
成績処理ソフト
40
時間割編成ソフト
33
その他
3
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今後導入したいソフト
                   (表4)
ワープロ・表計算ソフト 28
プレゼンテーションソフト 41
お絵かきソフト 17
百科事典ソフト 27
キーボード練習用ソフト 16
ホームページ作成用ソフト 33
画像処理ソフト 28
データベースソフト 28
教科用学習ソフト(ドリル型) 43
教科用学習ソフト(提示型) 40
グループウェアソフト 55
パソコン不正利用防止ソフト 31
ウイルス対策ソフト 36
システム復旧ソフト 39
画像転送ソフト 23
翻訳ソフト 14
フィルタリングソフト 30
資格取得支援ソフト 5
成績処理ソフト 18
時間割編成ソフト 19
その他 12
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【2003年9月6日号】