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教育情報化調査
学校における教育の情報化の実態
PC指導できる教員77%・校内LAN整備51%


 文部科学省は「学校における教育の情報化の実態等に関する調査結果」(平成18年3月31日現在)をまとめた。PCで指導できる教員は76.8%、校内LAN整備率は50.6%で、それぞれ8.8ポイント、6.3ポイント上昇したものの、「e−Japan戦略」のもと5年間にわたり取り組んできた目標100%には遠く及ばない結果となった。また、コンピュータ1台あたりの児童生徒数は7.7人/台(前年度8.1人/台)となり、少しずつ進展はしているものの、e−Japanの目標を下回った。

 学校のコンピュータの総台数は全体で204万3029台(前年度191万3068台)で、このうち教育用コンピュータの総台数は170万5600台、コンピュータのうちノートパソコンの割合は、全体の21・8%と微増し、5台に1台がノートパソコンになった。教育用コンピュータ1校当たりの平均設置台数は、小学校32・9台、中学校47・5台、高校112・7台、盲・聾・養護学校30・6台となった。

 普通教室のLAN整備率は、全体で50・6%(前年度44・3%)になり、校種別では小学校43・7%、中学校48・0%、高校75・5%となった。また、職員室のLAN整備率は、全体で90・1%(前年度95・9%)で、校種別では、小学校88・2%、中学校90・6%、高校95・0%で、校種が上がるにつれ割合が高くなっている。ただ、普通教室へのコンピュータ整備率はまだ24・8%にとどまっている。

 インターネットに接続している学校数は、全体の99・9%、このうち400kbps以上での高速インターネット接続は89・1%。また、個人所有のコンピュータのインターネット接続についての学校のルールは「接続が禁止されている」が最も多く41・9%、「学校のセキュリティルールに従えば可能である」38・9%、「特に規制はない」19・2%。前年度に比べると、「特に規制がない」が減り、「禁止されている」が4・7ポイント上昇した。

 コンピュータで指導できる教員の割合は、全体で76・8%になり前年度に比べ8・8ポイント上がった。校種別では小学校85・6%、中学校71・3%、高校67・3%となり、小学校の割合が依然最も高い。前年度からの上昇率は、小学校5・5ポイント、中学校10・8ポイント、高校11・8ポイントで、中学・高校では10ポイントを超えた。

 都道府県別のコンピュータの整備数、校内LANの整備状況、コンピュータで指導できる教員の割合は依然として格差が大きい。例えば、教育用コンピュータ1台当たりの児童生徒数の上位ベスト3は、1)岐阜県5・0人/台、2)山梨県5・1人/台、3)鳥取県5・1人/台。これに対し下位ベスト3は、1)神奈川県11・7人/台、2)東京都9・8人/台、3)埼玉県9・6人/台。

 校内LAN整備率上位ベスト3は1)岐阜県89・6%、2)長野県83・7%、3)富山県83・5%。下位ベスト3は1)東京都20・5%、2)奈良県24・5%、3)青森県30・0%で、最上位と最下位で約70ポイントの開きがある。

【2006年8月5日号】


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