校務情報化
早期に“教務情報化”
生徒獲得に効果
カーネルソフト「インテリマイン」
加藤部長
今年1月、内閣府によるIT新改革戦略において、平成22年までに教職員一人一台のパソコン整備が盛り込まれた。学校運営の根幹をなす職員室を始めとした校内の情報化が期待されている。カーネルソフト株式会社の「インテリマイン」は、いち早く現場の声を生かして開発された校務・教務支援システムだ。平成15年から同製品を導入し、学内業務の効率化と学生情報の共有化を実現した専門学校日本ホテルスクールの活用状況を聞いた。
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■戦略的“広報”を実現化
平成15年、少子化で大学全入時代が叫ばれるなか、同校では学科や教育内容など様々な分野で見直しの必要に迫られていた。なかでも最大の課題として挙げられていたのが、生徒募集に直結する広報システムだった。同校着任前に旅行業界での勤務経験もある加藤喜広部長にとって、学校の情報化への対応の遅れは「驚き」だったと言う。
「今後学校間の競争が厳しくなることは目に見えていた。ダイレクトマーケティングにはスピードが求められる。学校も計数的に分析して、即座に対応していかなくてはならない」。
そこで加藤氏はインテリマインを徹底的に広報業務で活用。少子化の影響で他の専門学校が生徒募集に苦慮するなか、システム導入後の同校では、初年度の応募者数が2割増、昨年度も1割増を記録している。
「それまではバサッと山勘の生徒募集しか行えなかった。だがインテリマインを導入することで、入学を検討する生徒がどのようなきっかけで資料を請求したのか、いつ来校してどのような質問や心配事を相談したのか、一つひとつデータを蓄積できるようになった。またそのデータは、名前・住所など様々な項目で検索できるため、多面的できめ細かな広報活動が行える」。
インテリマインは「資料請求管理」「説明会・来校相談管理」「フォローメール・DM送付管理」など、広報活動の段階に応じた管理機能を実装。生徒情報やイベントへの参加履歴による複合的な検索も可能で、必要なデータはリアルタイムに入手できる。
■事務処理も効率化
同校では広報業務の効率が上がり、教務・学務でも自然発生的に支援システムが求められたため、昨年4月には教務・校務支援システムを導入。システムから必要な情報を取り出して閲覧・検索できるうえ、情報の2次加工も可能だ。
1クリックで欲しい情報を即座に入手
「蓄積されたデータは事務処理や書類の作成に利用している。職員も操作に慣れている表計算やデータベースのソフトを使って情報を加工することで、年に1・2回発行するような成績証明書やテストの集計結果、合否判定も楽になった」。
また、特待生の選抜時には選定委員が会議室に集まりスクリーンに生徒情報を投影。成績表など選定に必要な情報を共有して選抜を行うという。
「高校時代の成績を調べたいときには、クリック一つで内申点など知りたい情報をその場ですぐに確認できる。情報共有が簡単で学務には大きなメリットだ」。
■出欠管理システムも▽情報共有
「戦略的な広報ツールとして活用できている今、インテリマインが無かったことを想像するとゾッとする。また広報と教務では立場の違いからお互いの業務を理解することは簡単ではないが、システムを導入することで職員間の意思疎通がとれて連携が良くなった」。
当初の目的だった業務の効率化が得られたばかりか、お互いの情報を共有することで生まれた校内連携。数値として表すことは出来ないが、情報の共有化こそ、システム導入のメリットだったと加藤氏は語る。
同校では現在、生徒の出欠状況を教室からモバイル端末を利用して教員がデータベースに入力する、出欠管理システムを導入中で、今後は進路指導などの教育分野の情報化へ発展していく予定だ。
●現場の声 実現しました
「インテリマインは、ユーザの意見を取り入れ、学生情報や出欠管理を融合した管理システム。利用ユーザのパスワード管理なども行うため、各スタッフが手元のパソコンから直接システムへアクセスでき、安全に情報の入出力を行うことができる。またシステムの操作は、一般的なWebサイトの閲覧方法と同じスタイルを採用しており、ハイパーリンクを辿りながら必要な情報を得られる。学校の事情や規模によってカスタマイズも可能(見積もり等要問合せ)」。
「生徒一人ひとりにきめ細かく対応できるシステムが欲しい」という現場の要望を具現化したインテリマイン。これまで大学や専門学校を中心に利用されてきたが、今後は高等学校にも展開を予定している。
http://www.kernel-soft.co.jp/
【2006年5月6日号】