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子どもの事故データを分析
子供の事故防止対策検討委員会

 子どもの救急事故は事故総数の14・8%を占め、小学校年齢ではすべり台、ぶらんこなどの遊具での発生が最も多く、子ども自身への安全教育が必要…子どもの不慮の事故や異物誤飲が増えているなか、東京消防庁は1万人以上の子どもの救急事故データを分析、さらに保護者・教師のアンケートや実態観察調査などをもとに「子供の事故防止対策検討委員会」で検討。「最終報告」が3月10日、荻須委員長から関口消防総監に提出された。

 子供の事故防止対策検討委員会(委員長=荻須隆雄・玉川大学教育学部教授)は庁内に幼児・小学校教育関係者、民間研究団体などを加えて昨年7月第1回検討会議を開催。4月から11月まで8力月間の救急事故で、0歳から12歳までの子どもの事故1万90人について発生場所・原因、経過などの事例調査、保護者・教員などの意識調査、公園で子ども・保護者の行動観察・実態調査を分析・検討した。

 分析によると子どもの事故全体の7割は5歳以下の乳幼児、3割が6歳から12歳(以下、小学生)。乳幼児の場合、事故発生場所の7割が家庭内なのに対して、小学生は行動範囲が拡大して家庭内は3割、広場・公園が19・6%、学校が18・8%、道路9・6%など。

 小学生のケガの形態は転倒が35・4%で最も多く、墜落・転落が21・6%、衝突が8・5%など。関連した器物は遊具18・8%、階段7・8%、家具6・0%の順だった。

 公園で行動観察したところ、危険が予測される行動を子どもがとったのは、うんていが79・2%、
ぶらんこが76・9%で最も多く、すべり台が69・7%、ジャングルジムが45・1%など。これらの事故への配慮は、小学校教師の92・1%が「常に注意している」のに対して、保護者は57・6%にとどまっている。

 小学生は遊具に関わる事故が多く、危険が予測される行動も多いことから、報告では「事故に至る経過についての学習」、「正しい使い方の知識」などを含めた、安全教育による事故防止が有効だと提言している。

 一方、保護者・保育士・幼稚園教諭・小学校教諭などには、心肺蘇生法、異物除去、ケガへの応急手当の知識と習得に努めることを求めている。
 東京消防庁は今後、事故事例集を作成し、報告書等とあわせて関係機関に配布する他、ホームページを通じて情報を掲載していくという。(続きは紙面へ)


【2006年3月25日号】


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