TOP>教育マルチメディア>Webニュース |
平成15年10月開校したつくば開成高等学校は、ITを活用した通信制高校だ。生徒数約1200人。転校生や高校中退者、不登校生もマイペースで学べ、高卒資格が取得できる。
公立学校の通信制高校は、卒業率が非常に低く、2割程度と言われている。そんな中、つくば開成高等学校は卒業率100%を目指す。現に前籍校で不登校だった生徒の8割が登校するようになってきているという。
糸賀修理事長に、その理由と当校の特長を聞いた。
つくば開成高等学校
糸賀修理事長
通信制高校なのに「卒業率100%へ」
Web学習システム導入で
通信制高校なのに「卒業率100%」とはどういうことか疑問に思われるかもしれませんが、本校では、「社会生活に適応できる生徒の育成」を目標にしており、そのための教育サービスを提供しています。登校してきた時の全職員での言葉掛けはもちろん、電話でのコミュニケーションなど生徒に寄り添ったかかわりを常に心掛けています。その積み重ねにより、中学や前籍校で不登校だった生徒が登校するようになり、保護者からも感謝の言葉を頂いています。
不登校や引きこもりの生徒の場合、一度は全日制で失敗しているわけですから、1対1の対応が効果的です。コミュニケーションが成功すると、学校に来ることができるようになりますが、従来の通信制ではその実現が難しいものでした。それを可能にしたのが、FACE TO FACE の教育をサポートするWeb学習システム「iCASS net」です。
全ての不登校生徒の自宅まで教員が出向くのは大変なことですが、「iCASS net」を導入することで、対面でのコミュニケーションが可能になりました。「iCASS net」とは、インターネットを通じ、双方向・対面で授業を行なうシステムです。生徒にとっては、一斉授業よりむしろ緊張感があり、学習効率も上がります。授業だけではなく、相談や日常のコミュニケーションも対面で行えますので、コミュニケーションがスムーズになり、スクーリング以外でも次第に登校してくるようになってきています。
また、保護者との面談、職員朝会や会議など、各学習センターの教員同士のコミュニケーションも顔を見ながらできますから、情報の共有がスムーズです。
芸術やスポーツ活動に
専心したい個性派の育成
本校に在籍しているのは、不登校の生徒だけではありません。全日制の学校は、進学や生活指導が主で、特性のある生徒が馴染めない面もあります。通信制ですと、やりたいことをメインにできるというメリットがあります。
例えばバレエやバイオリンの練習に専念したい、ゴルフでプロを目指したい、芸能活動を行ないたいなどという様々な生徒のニーズに応じることが可能になります。全日制だと練習時間が足りない、留学したいが高校卒業の資格が取得できないといった不安がありますが、通信制ですと、そういった生徒の要望に応じられます。本校も来年度よりサッカー部を創設し、サッカーを中心に高校生活を送りたいという希望に応じようと努力しています。
既に20人以上の希望者が全国より集まっています。
一括管理可能な学校管理システムで
教務処理を合理化
教員は教育サービスに専念
「iCASS net」は、対面学習が可能になるシステムですが、もうひとつ重要なシステムが、学校管理システム「iCASS admin」です。これは、生徒募集から入試、学籍、卒業後の進路までのあらゆる情報を一元管理し、学校運営を合理化したもので、教務・事務処理にかかる時間や労力を大幅に削減し、学校本来の目的である教育サービスの充実を図っています。本校は1200人の生徒に対し、事務職員を含め35人の職員ですが、書類作成や単位認定、卒業認定などの事務がシステムの導入により、人的ミスが少なくなり、迅速な学校運営が可能になりました。
生徒数が増加しても、職員を増やさずに学校運営ができるので、経営面のメリットも大きいと感じています。
つくば開成高等学校
電話 029・842・5532
FAX 029・872・5534
茨城県牛久市柏田町3315-1