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文部科学省概算要求
PCで指導できる教員増やせ
遅れた地域で重点研修

 情報環境の整備状況、コンピュータで指導できる教員の割合などは都道府県・市町村により格差が大きいが、文部科学省は平成18年度予算の概算要求で指導できる割合の低い都道府県などを対象に指導力を向上させる「IT活用重点促進事業」を新規に設置。また、校務の情報化を本格的に進めるため、「校務の情報化促進化事業」を新設、指定校での研究を開始する。

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 文部科学省の平成18年度予算の概算要求で、教育情報化の推進として3つの新規事業の予算が要求された。

 1つは、「IT活用重点促進事業」(1億2280万円)で、コンピュータで指導のできる教員の割合の低い都道府県等を対象に、指導力の向上を図り、ほぼ全ての教員がITを活用して指導できるようにする。10地域を3年間指定。

 2つは、「校務情報化促進事業」(9533万円)として、校務の情報化を全国的に促進するため、複数の学校を指定して、適切な校務の情報化の在り方を研究し、その成果を普及する。10校を3年間指定。

 3つは、「地域IT環境整備促進事業」(9266万円)として、多様なIT環境整備を進め、地域ニーズ等に応じた適正なIT環境の在り方について研究し、その成果を普及する。10校を3年間指定。

 このほか、継続事業として、「情報モラル等指導サポート事業」(1億1517万円)を進め、実践研究協力校(15校、指定期間1年)で効果的な指導方法を研究するとともに、情報モラル等指導の普及フォーラムを開催する。

 また、有害情報への対応(3億5400万円)を継続し、地域で大人たちが青少年を有害情報から守るモデル事業を実施するとともに、家庭における有害情報対策として家庭教育手帳等を活用した学習を推進する。

 さらに、IT人材育成プロジェクトやネットワーク配信コンテンツ活用推進事業を続け、追加指定を行う。

 私学関係では、私立高校等のコンピュータ等の購入費の一部について国が補助する「私立高等学校等IT教育設備整備推進事業」(15億4000万円)を対前年度比2・0%増要求した。情報教室や校内LANなどの施設を補助する「高機能化整備費補助」(4億5000万円)も進める。


【2005年10月8日号】


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